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オーケストラに学んだ大切な3本柱
こんにちは!NSPのオープンポジションスタッフとして活動しています、YUZUです。
現在は社会人ですが、大学院の時(2019年)に研究していたオーケストラ運営をテーマに、ブログを書かせていただいています。
オーケストラ運営の研究について取り上げるのは、今回が最後となります。
前回までは、楽団事務局の方へうかがったお話をもとに、オーケストラがどのような取り組みを行っているのか、またオーケストラが抱えている課題を見ていきました。今回は、これから将来の進路を考えるうえで、ぜひ大切にしてほしいなと思った事を、今までのまとめを交えてお伝え出来ればと思います。
私自身、研究を行っていたのは2019年とコロナウイルスの影響がまだ見られない時期でした。コロナ禍になってからというもの、オーケストラの運営に変化が求められるようになったのはいうまでもないと思います。オンラインでのコンサートが行われるようになり、今後もオンラインを活用した運営は当たり前のものとして続いていくのではないでしょうか。このように変化が大きい時期に、将来の進路について決めなければならないのは、とても大変な事に違いありませんが、自分の経験を含め、少しでも参考になれば嬉しいなと感じます。
では、過去回で取り上げた内容から、オーケストラに学んだ大切な事を3つにわけて振り返っていきたいと思います。
オーケストラ運営から学んだ事ベスト3
1. 自分について知る事
これまでお話した通り、オーケストラにはさまざまな特徴をもったオーケストラがあり、それぞれの特徴に合った活動をしています。そのなかで、主催する公演と依頼されて行う公演のバランスを取る事、ひいては楽団員への負担が少なくなるようにバランスを取る事の難しさを感じているところも少なくありませんでした。また、オーケストラによって楽団員の人件費には大きな幅が見られるのも事実です。
フリーランス音楽家の場合も同じように、仕事を見つけるには自分の特徴を知る事が重要になります。また、どのような仕事を引き受けたいのか、もしくは自分で開催したいのかを考えられる事、仕事を実現するための自己管理に気を配っていく事も大切ですよね。
ただ、一口に自分の特徴を知るといっても、とても難しい事なのではと思います。私自身、社会人の今でさえ、自分の特徴をすべて知っていると自信をもっていえるかどうかわかりません。それでも、いろんな方法で自分について理解を深める事は出来るんです。
特に、「2.つながりを大切にする事」にもあるように、若い時にさまざまな人と交流をもつのは素晴らしい事だと思います。それによって、ほかの人とのつながりが生まれ、さらに自分がどのような時に嬉しいと感じるのか、また悲しいと感じるのかなど、自分への理解を深める事が出来るのも大きなポイントです。
ほかにも、以下のようなインターネット上の記事、本など、先輩方がどのように自己理解を深めてきたのか手軽に知る方法はたくさんありますので、ぜひ積極的に調べてみてください。NSPサイト内には、ためになる事間違いなしの記事が盛りだくさんです!
<自己理解を深めるのにピッタリの記事>
・自分の価値がわかっている/お金の価値がわかっている 『フリーランスで成功するための“10の秘訣”』Vol.5
・自分を知れば働き方と発信方法は見えてくるーピアニスト・崔 理英さん
自分の特徴はなんとなくこうかなと知る事で、どのような仕事であれば熱意をもって取り組めるのか、またそうでないのかが見えてくると思います。自分を管理するためにも、どういう時にやる気が出るのか、どういう時にリラックス出来るのかなど知っておく事は重要です。ぜひ、自分について考える機会を作ってみてはいかがでしょうか。
2. つながりを大切にする事
オーケストラは、周囲との信頼関係も大事にしています。新しいお客さんに営業を行う前に、まずは、今の依頼主から続けて依頼を受けるために、努力しています。楽団事務局への聞き取りでは、ふだんの演奏活動の質を高めたり、顔を合わせたりするという地道な努力を大切にされている印象を受けました。また、SNSを活用してオーケストラ同士のつながりを作ったり、積極的に拠点外のホールと協力したりしているオーケストラもありました。
このつながりを大切にするという事も、一見簡単そうに見えますが、とても地道な努力が必要だと思います。たとえば、私も高校生の時に周りの友達、先生や先輩と考え方が違うなと思ったり、理解してもらえないなと思う事もありました。しかし、そのような時に程度の差があったとしても、関係を続けられるかどうかが、その後の人生のあり方に影響してくると感じています。
というのも、いろんな人と関係をもつ事で、自分が信頼関係を築くうえで大事にしている点について、考えを深める良いチャンスになるからです。また、将来困った時やアドバイスがほしい時、助けになってくれる人もいますので、ぜひ周囲の人との関係をもち続けてくださいね。
ここでは、実際につながりを大切にしてチャンスを広げられたユーフォニアム奏者・円能寺博行さんのインタビュー記事をご紹介します。
演奏機会が少ない楽器だから、自分のポジションは自分で作る | ユーフォニアム奏者・円能寺博行さん
また最近は、SNSがすっかり生活に溶け込んでいるので、新しいつながりを見つけたい人は、ぜひSNSも積極的に活用してみると良いと思います。以下で紹介されている発信ツールは音楽活動の場を広げるのにぴったりです。ぜひ使って活動発信にチャレンジしてみてください!
コロナ禍の今だからこそ音楽家にチャレンジしてほしい12のこと
すでにある関係を大切にする事、そして新しいつながりを作っていく事の両輪を大切にする事で、自分について理解しながら、チャンスを広げていけるのではないかと思います。
3. 情報を集める事
自分について理解を深めたり、つながりを大切にする事も大切ですが、それにも増して重要だと思うのが、情報を集める事です。オーケストラも、ほかの機関と協力する時に、自分たちにどのようなメリットがあるのか情報収集をしています。楽団事務局への聞き取りでは、自分たちにとってどのようなチャンスがあるのかしっかり情報を集め、吟味されている様子が印象的でした。
個人の音楽家の場合も同じく、情報を集める事は、自分がやりたい仕事にたどり着くために重要な事だと思います。これから大学受験を予定している人には、なんとなくわかるかもしれません。習いたい先生がいる大学はどこか、主専攻に加えどのような科目が勉強出来るのか、将来はどのような進路を取る人が多いかなど、挙げればキリがないと思います。
下の記事にもあるように、情報をたくさん集める事で、より多くの選択肢をもてるようになります。
そうすると、ある選択肢を選んでうまくいかなくても、別の選択肢を選べるようになります。結果として、もっと自分の夢に近づくチャンスが増えますね!
将来を考える時に
オーケストラ運営の研究を通して学んだ、この大切な3本柱は将来どの分野へ進んだとしても、きっと役立つ力になると思います。
私自身、高校生の時に将来をどうするのか、とても悩んだ事を覚えています。20歳にもなってもいないうちに将来を決めるのは、今になって思えばとても難しい事でした。当時を振り返ると、限られた情報だけの状態で、決まったコミュニティのなかで将来を選択する事には厳しいものがありました。
ただ、その後もいろんな人と関わったり、情報に触れたりするなかで、周りの人に助けられたり、自分について理解を深められたりとここまでやってこれたと思います。
同じように悩んでいる人には、ぜひ今のうちからこの3本柱を意識してみてほしいなと感じます。
最後に、私が進路選択をする時に、支えてもらった本を紹介します。とても読みやすいと思うので、ぜひ時間があったら、気軽に読んでもらえると嬉しいです。
進路を考える時にどんな事を大切にしたらいいのか、物語風にわかりやすく綴られています。
私が読んだのは大学生に入ってからですが、自分にとって大切な事を整理するきっかけ作りになりました。夢を実現するために、何を軸にしたら良いのかわからないという人や、いろんな進路があって選べないよ、迷っているという人におすすめの本です。
スタンフォード大学で行われた集中講義のなかから、人生における重要なヒントがピックアップされています。進路選択に不安がある時、失敗したらどうしようと思った時に、後押ししてくれるような内容です。
将来に不安があった高校生の時、この本を読んで、失敗しても大丈夫だと勇気づけられた事を覚えています。夢に向かって進んでいきたい、でも失敗したらどうしようと思っている方、ぜひ読んでみてください。力が湧いてくるような本です。
今回、ご紹介した記事や本以外にも、NSPサイトには高校生や若手音楽家に向けたわかりやすい記事が載っています。数も豊富なので、ぜひ気軽にチェックして将来に役立ててみてください!
夢に近づくお手伝いが少しでも出来ればこれほど嬉しい事はありません。お読みくださり、本当にありがとうございました。