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NSP奨学生執筆記事

どうすれば留学できるの?!音楽留学を実現するための方法

クラシック音楽を本気で学んでいるあなたは、本場ヨーロッパの音楽に触れたい、勉強したいと考えているのではないでしょうか?

私もその一人ですが、実は恥ずかしながら、音楽高校に入学するまで、留学の準備は学校がサポートしてくれると思っていたのです。

留学先となる学校も、先生も、そしてそれに伴う手続きも、全て自分でやらなければならないことに気づいた私が、どうやって留学を実現したのか…

申し遅れましたが、2020年秋からドイツ・ハノーファーにてヴァイオリンを勉強しております、第2期NSP奨学生の郡司 菜月(ぐんじ なつき)と申します。

今回は、前回の続き、私が日本の音大在学中に取り組んだ本格的な留学準備について、詳しく掘り下げていきます!

〈ドイツ・リンダウ〉

 

留学先の決め方

留学を考えた時、おそらく皆さんが一番最初に思うことは、
「どうやって、自分の行きたい国や学校を決めるのか」。

理由やきっかけはたくさんあると思います。
例えば、

・好きな作曲家の出身地だから
・その街に住んでみたいから
・学費が安いから
・その先生に習いたいから
・憧れのオーケストラがある街だから…

つまり、留学先の決め方は人それぞれです。

私の場合、決め手は「先生」でした。絶対にこの先生のもとで勉強したい!と思う先生に出会ったからです。
欧州諸国に留学している友人たちも、「先生で決めた」という人が最も多いように感じます。

 

出会いのきっかけ

昭和音大に通っていた4年間、私は室内楽の授業を履修していて、そこで師事していた先生がハノーファー留学から帰国されたばかりの先生でした。

先生の留学中のエピソードを聞いているうちにハノーファーへの興味がどんどん生まれ、以前からレッスンを受けてみたいと思っていた先生が偶然にもハノーファー音大にいたこともあり、早速その先生とコンタクトを取ることにしました。

「これで本当にお返事来るのかな…やっぱり先生のセミナーに参加して存在を知ってもらってからの方が…」など色んな不安を抱えながら連絡しましたが、思いの外すぐにお返事をいただき、レッスンを受けられることに!

喜びの中、早速ドイツへ向かう準備を始めました。

 

初めてのドイツへ

ドイツまでの12時間の飛行機は興奮で眠れず…(笑)

そして緊張と喜びの中迎えたレッスンは、本当に充実した時間でした。
技術的なこと、テクニック的なこともたくさん教えてくださいましたが、印象的だった先生の言葉があります。

「音楽は自分の中にあるハートで弾くべきだ。あなたは音楽を勉強している学生ではない。音楽家でしょう?」

これまでの私は、どうしても技術面ばかりを気にしてしまい、音楽の本質的なことを忘れてしまっていたかもしれない…

音楽から何を感じ、何を思い浮かべ、どう表現するのか。
もっと自分の想像力を広げ、音楽を心から楽しむ大切さを学びました。

「絶対にこの先生のもとで勉強したい!」

レッスンの内容はもちろん、先生のお人柄にも心惹かれ、ハノーファー音大を受験することを決意。

滞在中はレッスンだけでなく、門下生のコンサートを聴きに行ったり、ハノーファーの素敵な街並みを散策したり。ここで暮らす自分を想像しながら、これから取り掛かる留学準備に向けて覚悟を決め、日本へ帰国しました。

〈市庁舎の展望台から見たハノーファーの街並み〉

〈滞在中に立ち寄ったカフェ。キャロットケーキは絶品!〉

 

演奏だけじゃない!門下生になる鍵は?

海外のほとんどの音大受験では、各先生の門下に入れる人数が決まっています。そのため、その門下に「席」が空いていない限り門下生になることはできません。その年に門下を卒業する人が多ければその分多くの新しい門下生が入れるし、卒業する人がいなければ1人も入れない、なんてことも…
(※希望した先生の門下に入れなくても、受験で実力が認められれば、他の先生が声をかけてくれることもあります。)

絶対に先生の門下生になりたかった私は、受験までの約2年間、日本にいる間もコンタクトを取り続け、先生のマスタークラスに参加したり、お会いする度に「絶対あなたの門下に入りたい!」と全力アピール(笑)。

次第に私を門下生のように接してくれるようになりました。

〈オランダでのマスタークラスの様子〉

 

受験ってどういうもの?

大学卒業後、いよいよ受験へ。

学校によって、また、大学か大学院かによっても受験方法はさまざまですが、私の受験したハノーファー音大の大学院の場合、バロック、古典派、ロマン派、現代のいずれかから時代の違う3曲を演奏する、というものでした。

これは余談ですが…
例年ならば6月に受験が行われ10月に入学という流れなのですが、私の受験した2020年秋はコロナ禍だったため、6月に1次ビデオ審査、10月に2次現地審査、受かればそのまますぐ入学という流れでした。
受験準備と、合格することを信じてドイツへの移住準備を同時に行ったため、出国前の準備はかなり大変でした(笑)。

そして迎えた受験当日、緊張していた私でしたが、学校へ行ってみると審査員である先生方はとてもあたたかく迎えてくださり、「何弾くの?」「何から弾きたい?」など少しお話しもしながら、和やかな雰囲気のなか演奏することができました。

 

受験合格後の手続き

その後受験に合格、先生の門下にも入ることができ、そこから入学やドイツで暮らすための手続きが始まりました。

家探しはもちろん、銀行の開設、住民登録、健康保険の加入、携帯の契約、滞在許可(学生ビザ)の取得…

手続きの予約がなかなか取れない、担当の人によって言うことが違う、雑にあしらわれる、私の仕事ではないとたらい回しにされる…などなど、海外あるあるは一通り経験しました。今ではいいネタです!(笑)

3ヶ月かかってほぼ全ての手続きが終わった頃のFacebookには、

と書いてあります。(本文続きはこちら

(Instagramでも留学の様子を載せているので、ぜひフォローしてみてください!
アカウントはこちらから!)

最初の数ヶ月はやはり、やらなければならない手続きばかりで大変でしたが、これは留学生が必ず通る最初の試練です。ここを乗り越えれば、楽しい留学生活が待っています!

(続く)

次回は、学校に入学し、実際にドイツでの学校生活が始まってからのリアルや、ドイツでの暮らしについてもお話していきます。

お楽しみに!

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