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オーケストラの収入はどうなっているの?

こんにちは!NSPのオープンポジションスタッフとして活動しています、YUZUです。

前回から連載を開始したブログから複数回にわたって、オーケストラの運営をテーマとして取り上げていきます。先日はオーケストラを取り上げる背景についてお話しましたが、今回はオーケストラの中でも国内オーケストラに絞って、収入の内訳がどのようになっているのか、話を進めていきます。

国内オーケストラの収入源について

 

国内オーケストラは本当にたくさんあるので、その中でも公益社団法人日本オーケストラ連盟に加入している正会員楽団25団体を取り上げます。

オーケストラには、1つだけではなく、色々な収入源があります。具体的には、企業・個人からの支援、都道府県や市町村など地方自治体からの支援、文化庁や基金などからの支援、演奏活動による収入などがあります。この事実をはじめて知った時、演奏活動だけでなく、思ったよりもたくさんの支援を受けてオーケストラの運営が成り立っている事に驚きました…!

さらに、それぞれのオーケストラには、収入面での特徴があります。特定の企業から支援をたくさん受けているオーケストラもあれば、都道府県からの支援が多いオーケストラ、演奏活動による収入が主なオーケストラなどさまざまです。そこで、オーケストラをグループに分けて、収入面の特徴をわかりやすくしたいと思います!今回は、次の2つに分けてみます。

①特定支援型:特定の企業や自治体によって設立されたオーケストラ

②自主運営型:立ち上げの意思をもった人たちにより発足したオーケストラ/特定の母体の意向で設立されたものの、途中で母体からの支援が無くなったり大幅に減少したりしたオーケストラ

少し難しそうに聞こえますね…。

まず①特定支援型には、どんなオーケストラが当てはまるのでしょうか?

こちらには、たとえば読売日本交響楽団東京都交響楽団などが当てはまります。読売日本交響楽団は、1962年に読売新聞社、日本テレビ放送網、読売テレビの3社を母体として設立されました。また、東京都交響楽団は、1965年に東京オリンピックの記念文化事業として東京都が設立しました。

①特定支援型のオーケストラは、特定の企業・自治体などの母体から、収入の多くを得ています。先ほどの例だと、読売日本交響楽団は、読売新聞社からの支援割合が高くなっています。そして、東京都交響楽団は、東京都からの支援割合が高いのです。

一方、自主運営型には、大阪フィルハーモニー交響楽団などが当てはまります。大阪フィルハーモニー交響楽団は、1947年、朝比奈 隆氏が関西にオーケストラを作ろうと呼びかけて結成されたのが始まりです。なんだかかっこいいですね!このように自主的に組織されて、今に続くオーケストラもありますが、複雑な歴史をたどってきたオーケストラもあります。

日本センチュリー交響楽団(旧大阪センチュリー交響楽団)の場合、1989年に大阪府の意向で発足したのですが(特定支援型だったのですが)、2009年、それまで続いていた大阪府からの補助金が約3分の1になり、2011年度以降、完全に打ち切られ、現在は自主運営型になっています。特定の母体の意向で設立されたにもかかわらず、途中で母体からの支援がなくなってしまい、そこから演奏活動で運営資金を確保するようになったのです。

前述のような②自主運営型のオーケストラの場合は、演奏活動であったり、複数の支援主からのサポートによって、収入の大部分をまかなっています。実際、大阪フィルハーモニー交響楽団も日本センチュリー交響楽団も、演奏による収入は50%ほどで、残りの収入は、地方自治体、企業、文化庁などの支援によるものです。

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さて、国内のオーケストラが①と②のどちらに当てはまるのかと言うと、約8割は、②自主運営型に当てはまります!

ただ、先ほどもお話したように、自主運営型だから全部のオーケストラがきっちり同じ収入内訳だという事はありません。演奏活動からの収入が大半を占める傾向にあるものの、演奏活動以外の収入は、企業からの支援だったり、都道府県からの支援だったりと、内訳も割合もさまざまなのです。

このように、分類すると傾向が見られる一方で、それぞれのオーケストラの収入源に特徴がある事がおわかりいただけたでしょうか?特徴があるだけに、抱えている課題や取り組みも自然と異なってくるのです。こちらについては、後の回で取り上げたいと思います。

 

外部の協力も必要

オーケストラの収入と一口に言っても、演奏だけで成り立っているオーケストラはなく、さまざまな支援があるからこそ成り立っていると言えます。オーケストラと言えば、演奏で収入を得るものだと思っていた時期もあったのですが、実際に調べてみる事で、外部の協力も必要だとわかりました。

演奏家の場合も、オーケストラとは異なると思いますが、自主公演にプラスして、外部からのサポートを積極的に活用するのも、収入を増やすために必要なのではないでしょうか。

たとえば…

・文化庁や経済産業省などの補助金/支援金を活動資金の一部にする

税理士の栗原邦夫さんのYouTubeチャンネル「オンカク音楽家がお金に強くなる税理士チャンネル」には、音楽家のための補助金/支援金の情報がたくさんアップされています(栗原さんには、NSPで昨年開催した「音大生・音楽家のための確定申告講座」の講師としてご登壇いただきました)。情報収集の際には、文化庁や経済産業省などの公式サイトに加えて、こちらも併せてぜひチェックしてみてください!

・クラウドファンディングで支援者を募り、演奏活動やCD制作につなげる

近年、より身近になって、種類も増えて来たクラウドファンディング。不特定多数の人からネット上で資金調達を行う事で、プロジェクトを立ち上げる事が出来ます。こちらの比較サイトでは、27のサービスが検証されています。ぜひこの機会に、色々と試して、自分に合ったサービスを活用してみてはいかがでしょうか?演奏活動やCD制作につながるかもしれません!

・自分が住んでいる市町村など自治体/企業から協賛を受ける

少しハードルが高いかもしれませんが、活動拠点を置いている自治体や企業に、協賛依頼の問い合わせをする事で、思いがけない活動の発展につながるかもしれません。学生の方であれば、より手軽に利用できる「ガクセイ協賛.com」など学生を応援する協賛関連のサービスを活用するのも一つではないでしょうか。

 

なお、オーケストラの運営が気になるという方は、日本オーケストラ連盟の刊行物もご覧になれますので、ぜひチェックしてみてください!

次回は、今回の分類をもとにオーケストラの人件費について、取り上げていきたいと思います。収入の中でも、楽団員の人件費はどのようになっているのでしょうか?お楽しみに。

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