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年始のご挨拶とNSPから大切なご報告
皆様、明けましておめでとうございます。
NPO法人ネクストステージ・プランニング(以下NSP)代表理事・音楽ディレクターの藤井裕樹と申します(昨年9月、前任の原正晃の任期満了に伴い、代表理事を引き継がせていただきました)。
日頃よりNSPの活動に温かいご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
今年は元旦から能登で大地震があり、翌日は羽田空港で、その支援に向かおうとしていた海保機と日航機が衝突するというショッキングな災害、事故での幕開けとなってしまいました。
被害に遭われた方々、そしてご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。
昨年コロナが5類に移行し、ようやくエンタメや旅行業界も日常を取り戻しつつあった矢先の出来事ですので、これを機に、再度経済が停滞しない事を願うばかりです。
被災者、被災地に想いを馳せつつも、必要以上に自粛ムードにはならず、経済を動かしていく事が、長い目で見て、より早い復興につながっていくのではないでしょうか。
さて、本日はNSPにとって大きな転機を皆様にご報告するため、この場をお借りしております。
前組織も含め約10年に渡り、文化芸術の重要性を訴え、「若い音楽家の支援」「0歳から入れる親子コンサート」「老人ホームでのミニコンサート」などの開催を行ってまいりましたが、これまでの活動を振り返り、私たちは一つの大きな決断に至りました。
それは、NPO法人としての形態を卒業し、新たなステージへと進む事です。
(3月末をもって、NPO法人としての活動を終了いたします)
文化芸術は我々の社会において不可欠な要素ですが、“直接”生活の基盤となるものではありません。
欧米と比べ、クラシック音楽や文化芸術に対する理解や支援が乏しい日本において、寄付金での活動維持は非常に困難である事を痛感させられました。
コロナ前は一般企業などからの依頼演奏が年間数十本あり、活動資金の基盤となっていたものの、それらはほとんど無くなってしまいました。これは、文化芸術への理解の乏しさに加え、昨今の円安や物価高といった経済の停滞も影響しているのではないかと考えられます。
活動を維持していくために、「寄付を募る広報活動を増やす」「公共の助成金や補助金の申請を行う」といった方法ももちろんあると思います。
しかしながら、寄付金や助成金に依存する現状は、音楽家が社会とのより深いつながりを築き、共生していくための障壁となっているのではないかと我々は考えました。
当NPOの元スタッフのYUZUさん(ペンネーム)が執筆してくださった記事「オーケストラの収入はどうなっているの?」にもあるように、有名なオーケストラであっても、収入の約50%が演奏会の収入以外の助成金に頼っている団体もあり、実際、自治体などの予算削減、支援の打ち切りにより、窮地に立たされている団体もあるようです。
逆に、大手の民間企業がスポンサーとなっているオーケストラ(冠に企業名が入っているオーケストラ)は、比較的安定した運営が出来ているようです。
私たちは、音楽家が経済的にも社会とつながり、共生していくためには、寄付金や助成金に頼るNPO(非営利活動)ではなく、「事業としての自立」を目指す必要があると考えました。
この新しい道は、私たちがこれまで築いてきた基盤を活かし、音楽を通じてさらに社会に貢献するためのものです。
今後は、音大生や演奏家に楽器演奏可能なマンションの紹介を行っている不動産会社「株式会社ソナーレ」をメインのスポンサーとし、活動そのものは継続してまいります(社会貢献活動を民間企業の事業として継続してまいります)。
これまで行ってきた演奏派遣のような事業は、私、藤井が代表を務める「株式会社マウントフジミュージック」において引き続きお受けしていく予定です。
各事業に関しまして、具体的な継続の形、廃止などは随時NSP、ソナーレ、マウントフジミュージックのサイトなどでお知らせいたしますので、そちらをお待ちください。
長年に渡るご支援への感謝を申し上げると共に、今後の活動へのご理解、ご支援を心よりお願い申し上げます。
特定非営利活動法人
ネクストステージ・プランニング
代表理事・音楽ディレクター 藤井 裕樹