こんにちは!音楽ディレクターの藤井です。

先日、ウェブクリエイター、シンガーソングライターの2つの肩書をお持ちの久保田涼子さんを講師に招き、ネクストステージ・プロジェクト(以下NSP)のスタッフに向けた「ミュージシャンのためのウェブブランディングセミナー」を開催しました。

セミナーは単にホームページ作成を学ぶ技術的なものではなく、「いかにフリーランスの音楽家として自己プロデュースするか」という、一歩踏み込んだ内容。その一部をご紹介します!

ゲームで学ぶ大切な事

まず最初に、簡単なゲームをしました。

2人ずつに分かれ、出されたお題の絵を一方が身振り手振りなしで(言葉だけで)説明し、もう一方がその絵を紙に描くというもの。実際にやってみたところ、想像以上に難しかったようです。お題とまるで違う謎の絵がたくさん出来上がっていました(笑)。

これは、自分が見ているものを正確に伝える事が出来るかを体験するゲームで、スタッフは言葉だけのコミュニケーションでいかに「国語力、伝達力が大切か」を実感していました。

もちろんホームページには画像や動画、イラストなども使用可能ですが、プロフィール文やブログなど、言葉の部分がしっかりしていないと自己PRが出来ません。自分自身で制作せず、ウェブデザイナーさんに依頼するにしても、「自分にはどんなアピールポイントがあり、どのように売っていきたいのか」を説明出来なければ思った通りのサイトにはならず(ホームページが機能せず)、結果音楽の仕事にもつながらない(お客様を獲得出来ない)という事態になります。

また、フリーランスの音楽家は、依頼を受けた仕事でクライアント様の細かい要望をお伺いし、それに応える事でお金をいただくわけです。電話や直接の会話での打ち合わせもありますが、いまの時代はメールなど、テキストのやり取りのみで、本番当日に初めてクライアント様と直接お会いして会話をするケースもよくありますよね。

普段から僕もスタッフに対して「コミュニケーション能力、国語力を向上させましょう」という話をしているのですが、クリエイターであっても音楽家であってもこの能力の必要性は同じで、改めて「厳しいフリーランスの生存競争で勝ち残るポイントの一つ」だなあと感じました。

参考
『フリーランスで成功するための“10の秘訣”』Vol.4 コミュニケーション能力がある

アートとデザインの違いは何?

ウェブデザインという言葉を使いますが、そもそも「デザイン」とは何でしょうか?久保田さんは「アート」と比べ、とてもわかりやすく説明してくださいました。

アート
  • 自己表現
  • 人に理解されなくても良い
  • 主観的
デザイン
  • 使う人がいる
  • 人に情報や目的を伝える
  • 客観的

これも音楽に置き換えた場合、「芸術家」と「職業音楽家」の違いとも共通していますよね。

先ほども書いたように、職業音楽家は「自分ありき」ではなく、「クライアント様ありき」です。「わたしはこう演奏したい」は通用しない場合があります。

僕が連載している「音楽家のサバイバル術」の中でも書いていますが、職業音楽家は芸術家としての要素は比較的少なくて、実際には「ビジネスマン」と言っても過言ではありません(個人事業主です)。

参考
『音楽は“ビジネス”だ!』

主観的な自己表現のアートがすぐに受け入れられるのは、非凡な才能のある人だけです。一生理解されないかもしれないし、仮に理解されてもそれは自分が死んだ後かもしれません。自分のホームページを作るにしても、アートを全面に出すのか、仕事を取るためにデザインするのかで、コンテンツがまったく別物になるのは想像出来るのではないでしょうか。

ブランディングとは?

最後になりますが、今回のセミナーのタイトルの中にも使われている「ブランディング」という言葉を皆さんは聞いた事はありますか?

これは「ブランド」の「ing型」ですね。

ブランドというと、プラダやルイ・ヴィトンなどを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、コンビニで言えばセブンイレブンやファミリーマート、ハンバーガーで言えばマクドナルドやモスバーガー、楽器店で言えばヤマハやカワイなど、これらはみんなブランドです。

例えばマクドナルドの場合、印象的な赤と黄色の「Mマーク」のロゴや「I’m lovin’ it」というキャッチフレーズ、提供されている商品が頭に浮かびますよね。これが世間に認知、共感されて「ブランディング」出来ている状態と言えます。

もちろん我々に大企業のようなブランディングは出来ませんが、フリーランスの音楽家も自分自身を「ブランド化」していく必要があるのです。

音楽家のブランディングにはどんなコンテンツが必要になるでしょうか?

先ほども触れた「芸術家」と「職業音楽家」の違いと同じく、「演奏がメイン」の人と、「指導がメイン」の人とでは必要なコンテンツが変わって来ますよね。

マクドナルドにはモスバーガーというライバル企業が存在するように、あなたの周りにもライバルがいます(音楽家の場合、見えないライバルが自分の想像以上にいます)。その人よりあなたが優れている「売り」は何でしょうか?

それらをホームページという形で表現し、仕事につなげていきます。

これからの時代、インターネットを使ったマーケティングはいま以上に重要になるのは間違いないので、本当に有意義なセミナーだったと感じています。

このセミナーではこんな話をたくさんしていただきました。

音楽大学では楽器の技術を習得するのが中心だと思いますが、ネクストステージ・プロジェクトでは、若い音楽家が社会人として自立するためのノウハウを中心に、セミナーやブログで発信しています。

対外的なセミナーも今後開催していく予定ですが、スタッフになる事で仕事としてお金を稼ぎながら、研修や現場で音楽業界、社会人としての必要な要素を学ぶ事が出来ます。

興味のある方は是非エントリーしてみてくださいね!

改めまして、久保田涼子さん、このたびは本当にありがとうございました!

久保田涼子さんオフィシャルウェブサイト