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ハリー・ポッターに学ぶ ”夢を実現した人”

前回のブログ「諦めない勇気 or 諦める勇気」はいかがだったでしょうか?

今回はその流れで、僕自身が生き方を尊敬出来る二人の偉大な作曲家、作家さんについて取りあげてみたいと思います。

タイトルにも書きましたが、それは映画「ハリー・ポッター」にまつわるお二人です。
ご覧になっている方も多いですよね?

大器晩成の作曲家

まずはこの映画の劇中音楽(サウンドトラック)の作曲家、ジョン・ウィリアムズ氏。

作品がスター・ウォーズやE.T.のようなSFだろうが、インディ・ジョーンズのような冒険ものだろうが、ジュラシック・パークのような恐竜ものだろうが、ハリー・ポッターのような魔法使いのファンタジーだろうが、どんな世界観にもハマる曲を作ってしまう方で、僕からしたら、その才能がうらやましすぎる「神」のような存在です。

彼の曲を聴き始めたのは中学生のころで、最も感動したのは、ベトナム戦争が題材の「7月4日に生まれて」(トム・クルーズ氏主演)という映画のテーマ曲でした。

2’30″あたりから出てくるトランペットのメロディーがとても美しいのですが、それが4’15″あたりに一変します。「平和」と「戦争の悲劇」の対比を音楽だけで見事に表現していて、中学生ながらに、「音楽の力ってすごいな」「戦争は絶対にいけない」という事を強く感じたのを今でも覚えています。

(※ちなみにトランペットはティム・モリソン氏。ボストン交響楽団などにも在籍した、ジョン・ウィリアムズ氏をはじめ、ハリウッド映画のファースト・コール・トランぺッターです)

ジョン・ウィリアムズ氏は1932年生まれの86歳で、兵役中に空軍バンドの編曲や指揮をし、その後はジャズピアニストとして活躍、33歳から映画音楽の世界に入り、「屋根の上のバイオリン弾き」でアカデミー編曲賞を受賞されたのが39歳、有名になった「ジョーズ」でアカデミー作曲賞、グラミー賞を受賞されたのは43歳の時です。

意外に遅咲き(大器晩成)だと思いませんか?僕が彼を尊敬出来るのは、

彼は若いころにいろいろな経験をし、それらが糧(かて)となり、その後自分のやりたい世界で成功している。そして、40年以上もの間、第一線で輝き続けるために(天才とはいえども)たゆまぬ努力を続けているから

です(これだけの大ヒットを出し続けるのは並大抵ではないと思います)。

僕はまだ今年で39歳。彼はすでにこの歳でアカデミー賞を受賞しているので、才能が違いすぎますが、これから新しい事を学んで頑張れば、まだまだ自分も出来ることがたくさんあるという、良いお手本だと思っています。

アカデミー賞、グラミー賞受賞のような大それた事を成し遂げられるのは一部の天才のみだという事を受け入れ(→諦める勇気)、自分に出来る事で挑戦を続けていきたい思っています。

参考:『フリーランスで成功するための”10の秘訣”』Vol.1 謙虚さ、感謝がある、謝罪ができる

参考:『A or B/あなたが選択すべき人生の分かれ道』Vol.5 仕事を選ぶ? or 選ばない?

何があっても諦めない不屈の作家

続いては、原作者であるJ・K・ローリング氏のお話です。

以前テレビ番組で「原作者がどんな人か?」を紹介していたのですが、印象的なエピソードは、

結婚、出産後、離婚を経験。シングルマザーになったけれど、生活保護を受けながらも小説を書き続けた。いくつもの出版社に売り込みながらも断られ続けたが、最後の最後でとても小さな出版社が扱ってくれて、それがハリー・ポッターの1作目だった

という話です。ウィキペディアによると、離婚後のストレス、貧困の影響で、うつ病も発症していたとありますね。

いわゆる「日本の一般常識」と比べると、彼女の行動は(良い意味で)かなりぶっ飛んでいる気がします。

仮に生活保護を受けながら子育てもしないといけない状況だった場合、普通の人なら夢を諦め、とりあえずパートやアルバイトを探すとか(そういう事もやっていたかもしれませんが)、現実的に、最低限のお金を確実に稼ぐ方法を考えてしまうと思います。

日本の社会に置き換えた場合「小説なんか書いてないでちゃんと仕事を探しなさいよ。いつまで夢見てるの?」というような世間のバッシングもあったのでは?と想像してしまいます。

それに、自分の作品を何社にも断られるというのは、まだ社会的な責任も低く若くてフレッシュな学生さんであっても、なかなかに心が折れるのではないでしょうか。ましてやシングルマザーなうえに、うつ病を発症するくらい深刻な状況だった場合、なかなか「小説を書き続けよう」というモチベーションにはならない気がしますよね。

才能や運の持ち合わせはあったかもしれませんが、何があっても自分を信じ、夢を諦めない気持ちの強さが彼女には備わっていて、それが成功の原動力だったのではないかと思います。

まさに前回のブログでお伝えした「諦めない勇気」のお手本ですね。

彼女はいま、誰もがうらやむ大富豪である事が想像出来ます。
でも、そこに至るには、本人にしかわからない壮絶な人生があったはずです。

あなたが好きだなぁと感じる役者さんや歌手、作家さん、スポーツ選手などにも、それぞれの人生があり、いまがあるに違いありません。
その経験があったからこそ、あなたの心を動かしているのかもわかりませんね。

参考:劣等感で悩むあなたに贈る、自分らしく生きる為の考え方

今回は僕個人が尊敬する、ハリー・ポッターにまつわるお二人を題材にしてみましたが、あなた自身が尊敬する成功者が、あなたに生き方のヒントをくれるかもしれませんよ!

次回記事:NSU教育学部 Vol.1『目的と手段』
前回記事:『A or B/あなたが選択すべき人生の分かれ道』Vol.6 諦めない勇気 or 諦める勇気

前回の記事では「プロフィールをいかに魅力的に書くか」という話をさせていただきました。

「なるほど、そういう書き方をすれば他者と差をつけられるのか!」

と感じて下くださった方もいらっしゃると思いますが、

「どうせ藤井はエリートなんでしょ? 私たちと比べて魅力的なプロフィールが書けて当たり前じゃん!」

と思われた方もいらっしゃるかもわかりません。

「エリート」に見えるらしい僕のプロフィール

僕は初回の記事でも、自分は「凡人」だと公言しましたが、今までも僕のプロフィールを見て、それを疑う人が実に多く、エリートのように思われているところがあります。

↓ちなみにこれが、僕が公にしているプロフィールと、過去の主なお仕事の履歴です。
藤井裕樹プロフィール

どう思われましたか?

確かに、エリートと思われても仕方がないくらい、素晴らしい経験を数多くさせていただいたのは事実だと思います。

もちろん経歴詐称などはいっさいしていないので、書かれている事はすべて事実ですが、プロフィールには書けない、もしくは書く必要がない「事実」が裏にはたくさんあります。

プロフィールには書けない、裏のプロフィールの話

プロフィールというのは、僕の演奏を聴いてくださる方や、お仕事で呼んでみたいと思ってくださった方が、「僕がどんなプレイヤーなのか?」を出来るだけシンプルに伝えるためのツールです。

そこに、僕の辛い過去の経験などは書く必要がないので、ただ書いていない、それだけです。

それでは、このブログ限定で、僕がどんな人生を歩んできたか、簡単に書いてみましょう。

1979年、大阪の母の実家近くの病院で生まれる。

東京で暮らしていたが、まもなくして母が白血病を発病、入退院を繰り返していたが、僕の小学校入学の約1週間前に他界。

父は小1の僕と小3の兄を、仕事をしながら育てるのは困難と判断し、父の実家のある大阪で祖父母、伯母に預け、育ててもらう事になる。

当時の大阪の小中学校は荒れていて、いじめ、いじめられの両方を経験、家では、祖父は僕を可愛がってくれたが、祖母、伯母からは虐待のような仕打ちも受けた。

中2の時、このような状況から逃げ出したくて、上京、東京の父の所に一人で帰って来た。

東京での中学、高校の生活は順調だったが、高校卒業後まもなく父親がリストラに遭い、失業。
音大に行かないと決めたのは僕自身ではあるが、もし行っていたら中退だったかもしれない……。

いかがですか?

少なくとも、僕が公にしているプロフィールと、実際歩んで来た人生には、かなり大きな違いがある事はご理解いただけたかと思います(どちらも事実しか書いていませんが)。

ちなみに、僕がアメリカ留学したのも、父親がリストラに遭った後の話です。

一度テーマパークの仕事で給料をもらえる現場に入り、2年間自分で稼いで貯金したお金と、留学先の学校からいただいた奨学金によるもので、親からの援助はほぼありませんでした。

裕福だから留学出来たのではありません。

僕が辛い過去を公開しない理由

では、なぜ僕がこのようなプロフィールをオープンにしてこなかったか?

それは、僕の仕事は

「同情をあおってお金をいただく仕事ではないから」

です。

過去の辛い経験は、プロフィールには必要ないんです。
我々は、夢を与える仕事なんです。

「エリート」に見える人の生き方

今回なぜ、ここまで自分をさらけ出したか、僕が皆さんに伝えたかったのは、

順風満帆な人なんかほとんどいない、人は多かれ少なかれ、何かしらの辛い過去を背負って生きているという事。

どんなにエリートに見える人でも、「絶対陰で努力をしている」という事です。

そして、そういう辛い経験を「不幸」と思うか、「幸せに変えていくか」はすべて「自分次第」だという事!

それを伝えたかったのです。

僕が「不幸」から摑み出した宝物

僕自身、小中学校のころは「なんで自分だけがこんなに不幸なんだろう?」と思っていました。
その時僕は「不幸」でしかありませんでした。

ですが、自分を不幸にしているのは「自分自身の心(気持ちの持ち方)」だと気付いたのです。

命の尊さに気付いた

母親が早くに亡くなっているという事実は決して幸せではありませんよね。
でも、そのおかげで、「命の尊さ、生きている事の素晴らしさ」には、周囲の同世代より早く気付く事が出来ました。

僕が今、「毎日悔いのないように生きよう、どうせなら楽しく生きよう!」と思えている原動力は、間違いなく「母親の死」によるものです。

それに早く気付けた自分は「ほかの人よりも幸せ」だったのです!

音楽の本質を体感した

いじめやいじめられが当たり前だったころも、吹奏楽部の友達だけは本音で語り合う事が出来、「音楽は裏切らない」という実感がありました。

僕が音楽を仕事にしている一番のきっかけは、きっとここにあると思います。
音楽の本質を、中学校で体験出来ていたんですよね。

指導力に繋がった

楽器の技術的な部分でも、僕はかなり苦労をしていると思います。

ですが、天才的に演奏出来てしまった人より、間違いなくたくさん奏法の研究や工夫をしているので、初心者の指導にはとても役立っています(音大の先生にも、本人は天才肌のため、奏法や身体の使い方をうまく説明出来なかったり、もっと酷い場合は「何でそんな事も出来ないの?」って言ってしまう人、いらっしゃいますよね?)。

成功者とあなたはそんなに変わらない

僕が仮に、両親が健在で、裕福な家庭でぬくぬくと育ち、たっぷりとお金をかけて英才教育をされ、奏法になんの問題もない天才だったら、きっと今の自分はありません。

成功しているアーティストさんのプロフィールを見ると、どうしても自分とは違う特別な環境に育ち、才能に恵まれた人のように感じてしまいますよね。

ですが、

今現在、自分の生い立ちや生活環境、楽器の技術などに負い目や劣等感をもっている方、勇気をもってください!

成功したアーティストさんたちと、あなたはそんなに変わらないはず

です。

違うとすれば、この記事に書いた「自分自身の気持ちの持ち方」ではないでしょうか?

僕の場合、結果的にこういう気持ちの持ち方が良い出会いを生み、その一つひとつが僕のエリートとも間違われるような素晴らしい経歴につながっているんです。

偶然、ラッキーと言えばそれまでですが、そのラッキーは自分自身が引き寄せているという自負はあります。

僕自身、まだ人生の折り返し地点にも来ていないので、これからの気持ちの持ち方で、より幸せにも、不幸にもなり得るでしょう。

ですが、これからも音楽を通じて、自分自身、そして自分の関わるすべての人が幸せになるような活動をしていきたいと思っています!

次回記事:夢を実現させるために、最も大切な行動とは? Vol.1
前回記事:『“仕事が来る”プロフィールの魅せ方』

前回のブログ(YouTube動画の審査ポイント)では、当社がどのような基準でYouTube動画審査をしているかについて解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

これを読んで、自分はもっと良いアピールが出来ると思った方、当社は一度送ったらおしまいではなく、いつでもアップデートを受け付けていますので、ぜひ、より良い動画を送っていただきたいと思っています。

よくあるプロフィールに魅力を感じるか

さて、今回はタイトルのとおり、「プロフィールの魅せ方」についてです。

僭越ながらこうして動画審査をさせていただく音楽ディレクターの立場で感じるのは、

音大出身のクラシック奏者のプロフィールは皆ほとんど同じ

だという事です。

  1. ◯◯県◯◯市出身(もしくは◯◯高校卒業)→ここがない人も多いです
  2. ◯◯音大◯◯科卒業
  3. (人によって)留学歴
  4. ◯◯コンクール◯位入賞
  5. ◯◯氏に師事

だいたいこんな感じです。

もちろん嘘は書いてはいけないですし、とりあえず書くのはこういう内容になるのかもしれませんが、このような「どんぐりの背比べ」状態で、あなたに仕事を依頼してもらえる可能性が高いと感じますか?

ほとんどの方が「皆そういうふうに書いているから、しきたりだから」というレベルでプロフィールを書いているような気がします。

前回のブログに書いた「同じレベルの人が2人いたら、どちらが採用されやすいのか」の部分をもう一度読んでみてください。

実際には、ライバルは2人どころではないのです。
少しでも自分に注目してもらうためには、ほかの人にはない何かが必要です。

あなたは誰にプロフィールを見てもらいたいのか?

そもそも、プロフィールは「何のため」に書くのでしょうか?

僕は「仕事を取るための自己アピール」で、一般企業で言えば「履歴書」の役割だと思っています。

それが、上記のたった5項目で採用してもらえるでしょうか?
履歴書のような形式的なものでも、志望動機や特技くらいは書きますよね。

「卒業」「師事」は一般の方にとって決定要因になるのか

以前、とある大型ショッピングモールに行った際、大手楽器店の教室がそこに入っていました。

僕と同じトロンボーン教室があったので、どんな人がやっているのかな?と思い、プロフィールを見てみると、そこには、

◯◯音大◯◯科卒業
◯◯氏に師事

だけが書いてありました。

このご時世、音大を出て音楽教室の講師をやっている人なんて珍しくもありません。

さらに、◯◯氏に師事という文言ですが、これ、町の音楽教室に必要でしょうか?
僕はトロンボーン奏者なので、その方の名前は存じ上げています。ですが、一般の方は誰も知らないと思います。

この音楽教室の先生、担当者は、何をアピールすれば生徒さんが集まるのかわかっていないのです。

一般の方から見たら、はっきり言ってどこの大学を出ていても大差はないです。

国立(芸大)はちょっと例外かもですが、私立の学校で、どこの学校がハイレベルで、どこがそうでないかは知らないし、ほとんど気にしていないと思います。

ましてや音大やオーケストラで権威のある◯◯氏に師事と書いたところで、一般の方にはなんの効果もありません(仮に有名オケの方なら、◯◯交響楽団の◯◯氏に師事と書けば多少効果はあるかもわかりませんが)。

仕事がくるプロフィールに必要なもの

このケースのポイントは、

  1. 一般のお客様が、どういう先生だったら習いたいと感じるか?
  2. (あなたが)ほかの先生とどう違うのか?

この2点ではないでしょうか?

一般の方に響く言葉を

もちろん前述のプロフィールを書いてはいけません、という話ではありません。
ですが、この場合、自分自身の言葉で、生徒さんを惹きつけるような内容を書いたほうが、より効果がある気がします。

たとえば、

「私も初めてトロンボーンを吹いた時には、ちゃんと音が出なくて苦労しました。でも、今は本当に大好きな楽器です。皆さんが少しでも早く上達出来るよう、近道を伝授したいと思います!」

とかですね。

このほうが、先生の人間性も感じるし、共感から「この先生に習ってみようかな」って感じませんか?(自分の経験談、楽器、音楽への想い、何を提供したいかが短い文章の中に含まれています)

演奏の仕事を請けたい場合も同じです。

たとえば、当社の動画審査を通過し、仕事を取るためには、「誰に対して、何を」アピールしたら良いのでしょうか?

生演奏の事例でも紹介していますが、当社のクライアント様のほとんどは「一般企業」です。
音楽関係者ではありません。

「私の出身音大くらい知ってるよね?」

「◯◯コンクール入賞はすごいのよ!」

「◯◯先生はすごいのよ!」

「私の演奏技術はとても高いのよ!」

こういった考え方はいっさい通用しません。
実際このように思ってはいなくても、多くの方が「音楽家目線」のプロフィールになっています。

ちなみに僕は、どこに出すかによってプロフィールの書き方を変えています。
理由はここに書いてきたとおり、自分目線ではなく、あくまでクライアント様目線で書くようにしている、ただそれだけです。
参考:hirokifujii.com/profile-2

僕は音大は出ていませんが、アメリカ留学経験、テーマパークでの演奏経験、有名Jポップアーティストさんとの共演歴、ヤマハ音楽教室の講師歴など、一般の方が見てわかりやすい経験をたくさんしてきたので、プロフィール上は比較的有利だと思います。

もちろんその先は実力勝負だとは思いますが、まず最初の段階で、自分に注目してもらう事は絶対に必要です(でないと、最初の1回目の仕事がきません )。

ライバルとの差別化を

今の時代は、ブログ、Facebook、Twitter、YouTubeなどもあり、自分の人となりを発信する事は以前よりも簡単になりました。

僕のような目立つプロフィールがなくても、あなたにもっと注目してもらう方法、ライバルと差別化を図る方法はいくらでもあると思います。

今回のタイトルはあえて「プロフィールの見せ方」ではなく、「魅せ方」という字を使いました。

ただ「見せる」のではなく、もっと「魅力のあるプロフィール」を作成してみてはいかがでしょうか?

次回記事:劣等感で悩むあなたに贈る、自分らしく生きる為の考え方
前回記事:『夢を実現させるために、最も大切な行動とは?』 Vol.1

現在ネクストステージ・プロジェクトでは、音楽家登録の際に、YouTubeで撮影した動画をお送りいただき、それを元に審査をさせていただいております

このシステムを導入した2017年4月から、既にたくさんの方にご応募いただき、大変嬉しく思っています。
お送りいただいた皆様、ありがとうございました。

この記事では、

  • そもそもなぜ動画審査を行うのか?
  • 当事務所は動画審査で何を見ているのか?
  • 採用されるためのヒント

をお伝えします。

指定条件を守れるかが大前提

中には「条件に合うお仕事があれば、すぐにでも演奏依頼をさせていただきたい」という方もいらっしゃるのですが、実は残念ながら、かなり多くの動画が、演奏レベル以前に、こちらが指定している応募条件を守っていません。

お願いしている条件は以下のとおりです。

  1. 冒頭で口頭による簡単な自己紹介を入れる事
    ※指導者登録の場合は、これを見た生徒さんがあなたのレッスンを受けたくなるような呼びかけ(プレゼン)も入れる事
  2. ジャンルまたは雰囲気の異なる2曲以上(抜粋可)を収録する事
  3. 演奏曲は自分が売り込みやすいジャンルを選ぶ事
  4. すべての動画の合計を5分以内に収める事
  5. YouTubeで公開設定にし、当事務所HPの音楽家ページでも公開(埋込)出来る事=クライアント様への紹介動画としてもそのまま使える事(限定公開・審査のみの用途はNG)
  6. YouTube動画説明欄の記載内容:プロフィール、何分何秒から何の曲を演奏しているか、HP・ブログ・SNSなどのPRサイトがあればそのリンク

※上記基準を満たさない動画は審査対象外とします。

【録音編集について】
※動画編集の技術を問うものではありません。
※スマートフォンによる簡易的な録画でもかまいません。
※編集が困難な場合は複数の動画に分かれてもかまいません。
※テロップなどの編集は無理にしなくてもかまいません。

審査は就活と同じ

音大を卒業してから、一般企業や(音楽の先生として)学校への就職を考えていない人の多くは、就活の経験がないと思います。
ですが、ちょっと想像してみてください。

たとえば、エントリーシートや履歴書が企業側で指定されている場合、そのフォームとおりに記入していなかった場合、最初の書類審査に合格すると思いますか?

たとえアルバイトの面接であっても、履歴書をきちんと書いていなかったら、厳しい経営者ならその場で帰らされるし、仮に面接はしてもらえても、採用される事はないでしょう。これが一般社会の「常識」です。

わざわざ「上記基準を満たさない動画はお受け出来ません」とまで注意書きをしているのに、その条件に合わない動画を送ってくるのは、かなり「非常識」と言えるでしょう。

審査する側はどこを見ているのか?

普通こういう話はあまり表に出しませんが、ネクストステージ・プロジェクトは「若い音楽家の教育」も趣旨の一つですので、プロデューサーの立場から少し解説してみようと思います。

1. 冒頭で口頭による簡単な自己紹介を入れる事
多くの仕事では、曲目やメンバー紹介をしたり、たとえば企業の周年パーティーであれば「◯◯様(→会社名や社長の名前etc.)、創立◯年おめでとうございます」といった挨拶をする場合があるからです。

簡単に言えば、

きちんと人前で話せるか

を見ています。

「字幕」で自己紹介をしている人がいらっしゃいましたが、それでは意味がないのです(それ以前に、自己紹介がないのは論外ですが)。

仮に自己紹介をしていても、声が小さい、元気がない、暗いなど、ネガティブな印象があるものは良い評価になりません。

※指導者登録の場合は、これを見た生徒さんが、あなたのレッスンを受けたくなるような呼びかけ(プレゼン)も入れてください。

2. ジャンルまたは雰囲気の異なる2曲以上(抜粋可)を収録する事

3. 演奏曲は自分が売り込みやすいジャンルを選ぶ事
当事務所で依頼を受ける90%くらいの仕事では、ディズニーやそのほかの映画音楽、Jポップ、ジャズなど、クラシック以外のジャンルの演奏も求められます。
動画にクラシックしか収録していない人は、基本的には仕事がこないと思ってください。
(たとえばフルートの方に多いですが)ジャズとボサノバなど、クラシック以外で2つ以上のジャンルを送ってくださっている方は、必要に応じてお仕事を依頼出来る可能性はあると思います。

4. すべての動画の合計を5分以内に収める事
これを守っていない動画が驚くほど多いです。
先ほども書いたとおり、どんなにうまくても、決まりを守っていない時点で、審査する前にアウトです。

依頼演奏は、あなたのリサイタルではありません!

「イベント開演前の19:45〜20:00の15分間で、ウェルカム演奏をお願いします」というような依頼はよくあるのですが、指定した演奏時間にまとめる事も出来ない人を仕事に呼べると思いますか?

1時間以上あるライブ動画をそのまま送ってきた人もけっこういますし、「私のYouTubeチャンネルに動画が何本も上がっているので、それを見れば私の実力はわかります」とメールをしてきた人もいます。

そんな長い動画を送ってこられて、我々はどこで評価すれば良いのでしょうか?

1時間や2時間、全部観て(聴いて)もらえると思っているのでしょうか?

実際、審査をする際は、1時間に10組くらいは審査しています。
それでも50分かかります。5分程度にまとめていただかないと、大勢の審査なんて不可能なのは想像の範囲内ですよね?

「私の評価をたった5分の、しかも生演奏ではなく、動画で審査なんかされたくありません」

とクレームをつけてきた人もいますが、この人も社会のシステムが全く理解出来ていません。
企業の就活であっても、まず書類審査に通過しないと面接には進めませんよね。

ジャニーズやAKBなどのアイドル、つまり芸能界のオーディションも、よほど優秀で、スカウトされるレベルでない限りは全く同じだと思います。

最近では、ハリウッドの俳優のオーディションでも、まずはスマホで送るのが普通になってきているそうです。

音大でクラシックしか勉強してこなかった人たちには受け入れ難い事かもしれませんが、これが今の時代の「社会の常識」なんですよ。

あなたが入試など、学校の実技試験で生演奏を聴いてもらえたのは、あなたのほうが「高い授業料を払っている(もしくは、払ってくれる事になる)お客様」だからです。

学校があなたに「サービス」を提供してくれているんです。

卒業したら、今度はあなたがサービスを提供する側になるんですよ。

その事に早く気付いてください!

テレビCMはたったの15秒

皆さんの中で、テレビCMを観た事がない人はいないと思います。

CMは基本1本が15秒です。

その商品の良さを、たったの15秒で伝えないといけないのです。

前述してきたタイプの人は、

「CMをとりあえず1〜2時間分送っておいたので、観ておいてね。そうしたらこの商品を買いたくなるから!」

とか、

「たった15秒のCMで、実際にその商品を手に取る事もなく、その価値を判断されたくありません!」

と言っているのと同じですよね。

あなたは、こんな上から目線の企業の商品を買いたいと思いますか?

この行為がどれだけ非常識かわかりますか?

職業音楽家は芸術だけではない

音楽を職業にしていく場合、芸術家として「だけ」で生活が成り立つ人は1%にも満たないと思います。一部の天才だけです。

どんな人でも、ビジネスマン、エンターテイナー、エデュケーター(教育者)など、さまざまな面をもって活動していく事になります。言い方を換えれば、

これらのバランスを上手に取っている人が、仕事も上手に取れている

という事です。

以前もブログの中で書いていますが(『音楽は“ビジネス”だ!』)、

フリーランスで成功したければ、もっとビジネス感覚、一般社会人としての常識を身につけましょう!

そのほかの注意事項

※スマートフォンによる簡易的な録画でもかまいません。
これは、「動画を撮影するのに専門機器などを使用しなくてもいいよ、まずはスマホでも良いので気軽に送ってください」という意図があります。

専門機器のほうが音は良いに決まっていますが、購入にもお金がかかり、ハードルが上がってしまいます。
もちろん、そういう機材をお持ちの方は使っていただいてもかまいません。

ですが、ここに書いてきたように、皆さんが思っている以上に、「楽器の音、演奏技術以外を見られている」事を意識してください(服装や身だしなみ、収録環境も見ています)
※曲によって複数の動画に分かれてもかまいません。
※テロップなどの編集は無理にしなくてもかまいません。

当事務所の審査目的は、動画の編集コンテストではありませんので、無理に頑張る必要はありません。

同じレベルの人が2人いたら、どちらが採用されやすいのか

「スマホでもかまわないし、編集もテロップも必要はありません」という条件は付けさせていただいています。

ですが、だいたい同じ演奏技術の人が2人いたら、どちらに仕事の依頼が行きやすいか想像してみてください。

この動画を作るために、我々に何かを伝えたいという「意図」が感じられ、一生懸命(編集なども)頑張っている人のほうが印象は良いです。

あなたが本当に演奏技術だけで仕事が十分にあるならそれでも良いと思いますが、そんな方はそもそも当事務所に動画を送る必要はないですよね。

音大の同期に、あなたと同じ楽器の人は何人いましたか?

その中であなたは飛び抜けた存在でしたか?

そして、あなたの先輩や後輩、ほかの音大に、どれだけ仕事を欲しがっている人たちがいるかを想像してみてください。

そんな方々が、当事務所に動画を送ってきてくださっているのです。

どうやったら目に見えないライバルに勝てるか、もっと工夫してみてください!

グループ登録のメリット

1つヒントを出しますが、当事務所の場合、

個人で登録されるより、グループで登録されるほうがチャンスが広がるかもしれません

生演奏の事例を見てもわかると思いますが、当事務所の登録の目的は、クラシックのリサイタルを開催するような人材募集ではありません。

企業(クライアント)様からいただいたご依頼内容に応える演奏を提供するのが主な活動、演奏内容になります。

「だいたい○万円の予算で、○○な雰囲気のBGMをお願いします」

とか、

「○人くらいで、○○な雰囲気の演奏をお願いしたいんですけど、いくらかかりますか? 見積もりをお願いします」

といったご依頼がほとんどです。

もしも静かな音量のBGMをご要望の場合は、弦楽四重奏や木管アンサンブルをご提案させていただくかもわかりませんし、「ちょっと大人な雰囲気で」というご要望であれば、ジャズのグループをご提案出来るかもわかりません。

こちらとしては、クライアント様にご提案しやすい商品のストックが欲しいのです!

個人よりも、明らかに売りやすい(宣伝しやすい)事がおわかりになりますか?(人を物のようにたとえて申し訳ないのですが、職業音楽家が提供しているのは「商品」なんです)

個人同士を寄せ集めたグループよりも、ふだんから一緒に活動しているメンバー同士のほうが、初対面のような緊張感もなく、気心が知れた仲で、お互いの役割もよくわかっている(自分はトップ弾きだとか、サイド向きだとかetc.)ので、演奏のクオリティーが高い場合がほとんどです。

クラシックのアンサンブルでも、ポップスの曲も取り入れてライブハウスで活動しているグループは、曲のレパートリーも幅広く、当事務所の仕事に向いています(自分たちでアレンジも出来る場合は、リクエストに応えてくれる可能性も高いので、重宝されます)。

自分は人前で喋るのが苦手であっても、得意な人とチームを組んでおけば、あなたはMCをやる必要はありません。

正直なところ、このご時世に、予算が多く、大編成を求めてくださるご依頼は少ないです。実は、2人だとちょっと物足りない、4人は呼べないという依頼がけっこうあります。

その割に、弦楽四重奏やサックス四重奏、金管五重奏など一般的で、売り譜なども多く、対応しやすいのですが、3人という依頼にはなかなか応える事が出来ません。

個人的意見としては、3人組ユニットは、けっこう狙い目ではないかと考えています(同じ楽器同士ではなく、ピアノ、ヴァイオリン、フルートといったグループもアリです)。

もちろん、王道の編成がNGという話ではありませんよ。
ただ、競争率が高いのも事実です。自分たちのグループのパフォーマンスに自信があれば、どしどし動画を送ってきてください!

必要なのは練習だけではありません!
もっと学ぶべきスキルがたくさんあります!

「どんな商品だと買ってもらいやすいのか?」
というようなマーケティング思考は、その中でも重要な要素ではないでしょうか?

僕のブログ(音楽家のサバイバル術)にそのヒントがたくさん書いてありますので、よく読んで、もう一度今の自分のあり方を見つめ直してみてはいかがでしょうか?

やや厳しい内容になりましたが、ネクストステージ・プロジェクトでは、やる気のある若い音楽家を全力でサポートさせていただきますので、今後も「魅力あるPR動画」をお待ちしています!

次回記事:『“仕事が来る”プロフィールの魅せ方』
前回記事:第1回ジャズ&ポップスセミナーを終えて~あなたの行動があなたの未来を変える

7/18(火)、「今さら聞けないジャズ&ポップスセミナー」の第1回目が終了しました。

僕のセミナーの特徴は、

カリキュラムが最初からガチガチに決まっていない

という点です。

参加者が何を学びたいかで変化するセミナー

皆さん、義務教育で教科書どおりに(受け身で)教わった内容がどれだけ記憶に残っていて、今の人生の役に立っていますか?

日本の教育では、「先生は偉い、先生の言う事は絶対、年下の生徒は黙って話を聞くもの」みたいな風潮がありますが、僕はこれが大嫌いです。

あくまで自分自身の経験の範囲内の話ですが、アメリカ留学中のトロンボーンの先生は、レッスン室に入るとまず初めに、

「What can I do for you?」

と必ず聞いてくれました。

直訳すると

「私(先生)は、あなた(生徒)のために何が出来ますか?」

という意味ですが、言い換えれば、

「あなたは何を習いに来たの?」

という意味ですよね。

つまり、自分側に「何を学びたいか」の明確な意思がないと、レッスンを受けても意味がない、もしくは、先生から適切なアドバイスを受ける事が出来ないという意味なんです。

プロフィールを書いたり、自分が師事していた先生について話す場合も、

Hiroki has learned (studied) with Bruce Paulson.

のように、「with」を使うんですね。
日本だと「from」(先生「から」)を使いそうな気がしませんか?

年齢や立場に関係なく、先生、生徒が「一緒に」学んでいる感覚の欧米、それに対して、日本はとても受け身の感覚が強いと感じる表現で、僕にはとても印象に残っています。

すべての教育において欧米が優っていて、日本が劣っているとは思っていませんが、少なくともこの部分に関しては欧米の感覚のほうが好きなので、僕は

生徒さんが何を学びたいかを引き出し、それによってセミナーの中身を変化させていく。

そして、僕とは違う経験を積んできた来た生徒さんから、年齢に関係なく、僕自身も学びたい

と思っています。

このような理由から、セミナーの冒頭には少し長めに時間を取り、自己紹介も兼ねて、一人ひとりに、「このセミナーで何を学びたいか」を「自分の言葉」で語っていただきました。

参加者の特徴と参加理由

今回の参加者の傾向としては、音大を卒業して3~5年の方がとても多かったです。

おそらく、

音大ではクラシックしか勉強しなかったけれど、卒業して(お金をいただく)仕事を始めてみたら、施設やイベント演奏、音楽教室のレッスンなどの中で、思った以上にジャズ&ポップスの知識が必要だったという事を、身をもって実感し始めたのが、卒業後(現場に出て)3~5年の今だったのではないか

と思います。

これが

「音楽を仕事にしていく現実」であり、音大ではいかにそれらを教えてもらっていないかの証明でもある

のではないでしょうか。

参加してくださった皆さんは、この「今さら聞けない」内容に踏み込むのは勇気が必要だったかもわかりません。

自分自身が何年もかけて学んできた内容をある意味「否定」し、新しい分野を受け入れるのは決して簡単な事ではありません(実際は否定する必要なんかなく、誇りに思えば良いんですよ!)。

ですが、このように向き合えた人は(視野を広げられた人は)、そうでない人と比べ、将来の可能性が広がっていくのではないかと僕は信じています。

今回のセミナー終了後も、とても熱心に僕に質問してきた方がいらっしゃいました。

その方は一般の大学を卒業し、就職もし、その後音楽を勉強するために音大に戻ったそうなので、生半可な気持ちでない事がひしひしと伝わってきました。

積極的に行動して未来を変えよう

この方だけでなく、夢があり、可能性のある若い音楽家が、現状よりも少しでも明るい未来を築けるよう、ネクストステージ・プロジェクトでは、全力でバックアップしていきたいと考えています。

セミナーなどにも積極的に参加し、やる気、実力が備わっている方には、可能な限りお仕事の場も提供出来るようにしていくつもりです。

最初にも書きましたが、その中で結果を出す、注目してもらうためには

皆さんのほうから積極的にアプローチしてくる事

が何より大切です。

10月まで続くこのセミナーや、ピアニストのためのジャズ&ポップスセミナーもほぼ定員に達していますが、ご要望があれば2期生、3期生と募集を行っていこうと思います。

そのほか、一人ひとりの人生設計のカウンセリングなども、僕自身が始めようと思っていますので、どんどん関わってきてください。

あなたの未来は、あなたの「行動力」でどんどん変わっていきますよ!

『今さら聞けないジャズ&ポップスセミナー♪』詳細&お申し込みはこちら

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