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『あきらめない勇気 or あきらめる勇気』A or B/あなたが選択すべき人生の分かれ道 Vol.6
今回でこのシリーズの最終回となります。
タイトル的にはちょっと重めのテーマと言えるでしょうか……。
「音楽家のサバイバル術」を通してお伝えしていますが、音楽の収入のみで生計を立てられるのは、その道を志した人のほんの数パーセントです。
音楽大学の卒業間近になった人や、卒業後もしばらく頑張ってみた人も、現実はなかなか思うようにいかず、「このまま楽器を続けようか、就職しようか」など、迷っている人はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方たちにはぜひ読んでいただきたい内容です。何かのヒントになるかもしれません。
あなたは本当に音楽が好きですか? 信念・情熱をもっていますか?
以前の『輝く7人の音楽家たち』のシリーズで、サックスの福井さんは「好きならどんな苦労も乗り越えられる!」という話をしてくれました。
参考:Vol.7 「好きこそものの上手なれ」好きならどんな苦労も乗り越えられる! / 福井健太さん(サックス)
同じくドラムの黒田さんは、「やりぬく信念と情熱」について語ってくれました。
参考:Vol.5 音楽家として自立するには「信念・情熱・感謝」が大切! / 黒田慎一郎さん(ドラム)
僕自身も19歳からプロ活動を始め、今年で20年、何とか音楽のみでやってきましたが、彼らの語ってくれた事の大切さは強く感じています。
当然ですが、仕事としてやるのは、演奏などの対価としてお金をもらう行為であり、常に楽しい事ばかりではありません。もしかしたら日々の練習も時には苦痛になるし、本番へのプレッシャーもアマチュアとは比べ物にならないし、サラリーマンと同じように、人間関係なども含め、苦労は絶えないと思います。
そんな状況で続けていくためには、このブログでお伝えしてきているノウハウだけでなく、「強力なメンタル」も必要なのではないでしょうか。
では、そのメンタルはどこからくるのか?
その要因の一部が「音楽が好きだという事」「信念や情熱がある事」だと思いますが、今回はもう少しそれを掘り下げてみますね。
あなたは音楽に「ハマって」いますか?
音楽が好き、信念や情熱があるという言葉をもっとざっくり言うと、「ハマってる」状態なんだと思います。つまり、どっぷりハマった人がプロとして音楽を続けていると言えるかもしれません。
「ハマる」という状態までいくためには、それなりの「動機」が存在します。
高校生のバンドをやっている男子なんかはわかりやすいのですが、たいてい「女子にモテたい」という浅はか動機があります(笑)。個人差はあると思いますが、若いころ、最初にハマったきっかけというのはこんなもんだと思うんですよね。
そこから音大やプロを目指すようになる人は、演奏を通じて味わった充実感などが忘れられず、どっぷりとハマり、「今度は自分が伝える側になりたい」と感じるようになるのではないでしょうか。
ハマるとやめられない、いい意味での麻薬のようなものですよね。
これから続けていこうか迷っている人は、最初に音楽にハマったきっかけが何だったのかと、そこから音大やプロを目指すようになった動機を思い出してみると良いと思います。
あなたはその時の純粋な感情、情熱を維持出来ていますか?
人生の目的とは?
とは言え、ハマっているだけならアマチュアでもたくさんいますよね。
アイドル、ゲーム、アニメなどにハマっている人は、ほとんどが趣味でお金を使う側の人間です(もらう側ではありません)。
先ほども書いたように、仕事としてやっていると、いろいろな苦労、ストレスがあります。若いころの純粋な気持ちだけでやっている人はほとんどいないと言っても過言ではないと思います。
そこで必要になるのが「信念」のような強いもの。最近僕は、
『信念=人生の目的』
ではないかと感じるようになりました。
この件に限らないのですが、僕はほとんどの行動を「目的」と「手段」で考えています。
「高校で同級生の女の子にモテたい」→目的
「ギターをやろう!」→手段
「大勢の仲間と何かを成し遂げたい、自分たちが創りあげる何かで感動を分かち合いたい」→目的
「音楽家になろう、オーケストラに入ろう!」→手段
こんな感じですね。何が言いたいかと言うと、
「音楽をやろう」という以前に、あなたの中には何か人生で成し遂げたい「目的」があるんじゃないですか?って事です。
つまり、
楽器の演奏なども「手段」でしかないと思うんです。
僕自身の「目的」と「手段」は?
僕自身は中学校の吹奏楽部でトロンボーンを始め、そこで出会った人たちとの居心地が良かった事や、素晴らしいパフォーマンスが出来た時の成功体験などがあり、プロになりたいと思った気がします。最初はただ単に「好きなトロンボーンで飯が食えるようになりたい」くらいしか考えずにやっていました。
実際20代のころはそれでうまくいってたんですが、海外留学を経験したり、帰国してたくさんの大物アーティストと共演させていただいたり、東日本大震災や発展途上国のボランティアなどを通じて、根本的な「目的」が若いころから変化している事に気付きました。
この年齢になると「トロンボーンが好き」くらいの気持ちではとうてい一生やっていけるものではないと感じています。これから先もずっと続けていく事を考えると、それはもはや「人生の目的とは?」というレベルなのではないかと。
僕にとっての「人生の目的」は、オーバーかもしれませんが
「自分に関わる人たちを、自分の能力(音楽)を使って一人でも多く幸せにする事」
です。
その「人生の目的」を実現させるための「手段」は、現在ではトロンボーンの演奏もその一つにすぎません。レッスンも作編曲も、プロデュースも、こうしてネクストステージ・プロジェクトで行っているディレクター業務も、このブログの執筆も、僕にとっては「手段」でしかないんです。
そう考えると、「トロンボーンの演奏だけで何がなんでも成功しなければいけない」というようなプレッシャーはなくなり、世界が広がったように感じています。
あきらめない勇気
ここまで書いてきた内容をあなた自身に置き換えてみた時に、「どう考えても自分にとっての手段は音楽を職業にするしかない!」と感じるのであれば、本気でそれを貫いてください。
「あなたなんか絶対音楽では稼げないよ!」などと親御さんに反対されても、もしもそれだけの強い信念と情熱があるなら、ちょっと反対されたくらいであきらめてほしくはないですね。
もちろん親御さんだけではありません。仕事にしていくためには厳しい評価を受ける事もあります。先生に叱られる、入試で不合格になるなどもそうですよね。
ネクストステージ・プロジェクトでは、若い音楽家に演奏の機会を作るために登録アーティストの募集を行い、合格者にはお仕事の紹介もしています。
参考:音楽家募集・登録
動画による審査を行い、僕がコメントを書いて返送していますが、不合格になると二度と送ってこなかったり、合格してもAランクではなく、「ここをもう少しこうしたほうがいいよ」とアドバイスしても、アップデートしてくるアーティストはほとんどいません。
参考:フリーランスで成功するための『10の秘訣』Vol.1 謙虚さ、感謝がある、謝罪が出来る
ここに書いたような「向上心」を感じないんですよね。
なぜそんな簡単にあきらめてしまうのでしょうか(もっと貪欲に仕事を取りにこないのでしょうか)。
一般大学で就活をやっていたら、(特に景気の悪い時期は)100社受けてようやく1社から内定がもらえたなんて話もざらにあります。
厳しい意見だとは思いますが、フリーランスで一つひとつの仕事を積み上げて自立するのは就職するよりもはるかに大変なのに、若い音大生、音楽家の意識が一般の就活生と比べて低すぎる人が多いと感じています。
やはりそこに「信念と情熱」が足りないのではないでしょうか。それらがあれば、もっと「あきらめない勇気」がもてるはずです!
あきらめる勇気
これは決してネガティブな意味ではないのですが、信念と情熱をもって職業に出来ないのなら、プロでやっていく事や、専業であり続ける事にそこまでこだわる必要はないんじゃないかと思っています。
音楽自体が「目的」ではない、「手段」だという事に気付けば、もっと柔軟な生き方があるのではないでしょうか。
たとえば、「小さいころからピアノをやっていて、そこそこ上手で、何となく親にその気にさせられて音大に入ってしまった」とか、「学生時代、吹奏楽部での活動しか頑張らず、全然勉強しなかったので音大に進んだ」というような人は、たまたま才能があれば別ですが、どこかで必ず大きな壁にぶち当たりますよね。
親や先生に敷いてもらったレールを歩いているような「消去法」の人生設計の人や、「人よりちょっと楽器が好きです」くらいの人が成功するほど、この業界は甘くありません。
このような状況でやってきた人の話を聞くと、
・親御さんに高い学費を払ってもらったので、申し訳なくてあきらめられない
・小さいころから地元でお世話になっていた先生や、期待してくださった親御さんに申し訳なくて辞められない、実家に顔向け出来ない
こんな話が出てきます。
もちろん親御さんや先生への感謝は大切です。気持ちはわかります。でも、このままズルズルと続けていて幸せになりますか?
あなたの人生はあなた自身のものです!
僕は、自分の子どもが不幸になって良いと思っている親御さんはいないと思うんですよね。
あなた自身が「人生の目的」に気付き、『その「手段」が楽器を続けていく事ではなかった、これからは○○という新しい「手段」で生きていきたい』と、きちんと周囲に説明、プレゼン出来るのであれば、「あんな高い学費を出して音大に行かせてやったのに。この親不孝者!」などと言う親御さんは絶対にいないのではないでしょうか。
一生やりたい事がブレない人なんてほとんどいないですよね。
音大に行った結果、自分の本当の気持ちに気付いて軌道修正して何が悪いんでしょうか。
「あきらめる勇気」もまた大切です。
あきらめるというのは決してネガティブな言葉ではなく、「自分を受け入れ、新しい人生を切り開くための、とてもポジティブな行動」で、まさしく「勇気」と言えるのではないでしょうか。
すべての生き方に価値がある!
もちろんあきらめる、あきらめないの二択だけではありません。
参考:フリーランスで成功するための『10の秘訣』Vol.7 ~ 音楽以外の能力をもち合わせている/音楽が好きである、信念がある
この記事で紹介させていただいた三田さんのように、サックス奏者 x カメラマンという「手段」で自分の人生を生きている人もいます。
現在のネクストステージ・プロジェクトのスタッフたちは、彼女以外もみんな柔軟な「手段」をとって自分探しをしています。
参考:マネージャー募集中!
- 演奏一本でやっていくという信念をもって生きる
- 音楽に関わるいろいろな仕事を両立、並行して生きる
- 音楽以外のスキルを掛け合わせて生きる
- 音楽は仕事にせず、趣味として続けながら生きる
これらすべてが尊重されるべき生き方ではないでしょうか。
ただしその条件は、
「人生の目的をもち、自分自身の人生を、自分の力で歩んでいるかどうか」
だと僕は思います。
最後になりますが、このシリーズのタイトルは「あなたが選択すべき人生の分かれ道」でしたね。
『あなた自身で人生を切り開き、過去でも未来でもない“今”を生きてみませんか?』
おわり
次回記事:ハリーポッターに学ぶ”夢を実現した人”
前回記事:『A or B/あなたが選択すべき人生の分かれ道』Vol.5 仕事を選ぶ? or 選ばない?
毎月定額の給料をもらえる一般企業などと違い、フリーランスは自分自身で受ける仕事をコントロールする事が出来ます。音楽家に限らず、この世界はうまくやればサラリーマン、OLよりも実績、成果は伸びますし、失敗すると真逆になります。
「ああ、卒業してさっさと就職しておけば良かった」と後悔しないためには、どんな事を考えておけば良いのでしょうか?
まずは、仕事を選ぶか選ばないかによって、どのようなメリット、デメリットがあるかを比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
仕事を選ぶ |
|
|
仕事を選ばない |
|
|
こんな可能性がありますね(必ずこうなるというわけではありません)。
そもそも音楽という仕事は何なのか?
音楽の仕事(ビジネス)にはどんな側面があるでしょうか?
①娯楽(エンターテインメント)
②教育(エデュケーション)
③芸術(アート)
僕は大きく分けてこの3つだと思います。わかりやすく、ざっくりと例を挙げると、
①の娯楽は、ディズニーランドのパフォーマーや、Jポップのサポートミュージシャンなどでしょうか。
②の教育は、音楽教室の先生や、学校の音楽の先生ですね。
③の芸術は、ジャズやクラシックの奏者、自分で作曲して世の中に評価してもらおうと思っている人などかもしれません。
もちろん、必ずどれか一つに分類されるわけではなく、複数の要素が混在しているものもあります。オーケストラで学校の芸術鑑賞教室などをやったりしますが、これは②と③の両方を兼ねていますよね。内容によっては①のエンターテインメント性も備わっているかもわかりません。
まず大切なのは、自分がやりたい事は何なのか、何でお金を稼いでいこうとしているのか(①~③のどれなのか)を、より明確にしておく事ではないかと思います。
一つに絞るのはリスクが高い
①~③の中で、ビジネスとして一番難しいのはどれでしょう?
僕は③の芸術ではないかと思います。ピカソのような絵が評価されるか、子どもの落書きだとけなされるかは紙一重ですよね。画家にしても、作曲家にしても、死後にようやく評価された人も多いですし、されれば良いほうで、死んでも日の目を見ずに終わる事も珍しくありません。
もしもあなたにとんでもない才能があり、生活の支援をしてくれる方(パトロン)などがいれば、
「一極集中で成果をあげやすい」
↑
これが起きる可能性はあります。才能をかき消すような仕事をせずに、一つに絞ったほうが成功するかもしれません。
「あの人はブレないね、凄いね」くらい思われなければ、パトロンやファンは付きませんよね。
ただ、残念ながら多くの人は凡人です(僕も自分の事をそう思っています)。
ジャズやクラシックを音大でしっかり勉強した若手を見ると、どうも「芸術家としてのプライド」が高く、それ以外(の選択や価値観)を受け入れないという感覚をもっている人が多いように感じてしまいます。
それでも一つに絞り、「これで食えなくても本望」と思えるくらい打ち込めるなら、もちろんその生き方を否定するつもりはありませんが、ハイリスクハイリターンな人生の選択である事は覚悟のうえでやったほうが良いですね。
若いうちは何より「経験」が大切
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、僕自身もただの職業音楽家ではなく、芸術家でありたいと今も昔も思っています。
でも、一極集中という選択はしてきませんでした。
なぜなら、いろいろな経験をする事は、将来芸術家になるために決して無駄ではないからです。
僕は中学校の吹奏楽部でトロンボーンを始め、最初は「クラシックのソリストになりたい」とか、「オケに入りたい」と本気で思っていました。かなり芸術家寄りの発想だったと思います。
高校のころからジャズを聴き始め、ハリウッドの映画音楽などのスタジオミュージシャンにあこがれて、ジャズやポップスの勉強を始めたので、このころから①の娯楽(エンターテインメント)への興味もわいてきました。
中学校の吹奏楽部の先生、トロンボーンのレッスンをしてくださった先生、留学先でお世話になった先生たちのおかげで今があるので、②の教育(エデュケーション)の大切さも実感しました。
僕が経験から得たもの
僕は20代で、ディズニーランドやシーのパフォーマーを経験させていただきましたが、まさに世界トップレベルのエンターテインメントの現場です。
前述のとおり、高校から既にハリウッドのスタジオミュージシャンにあこがれていたんですが、このころはまだ「ジャズトロンボーン奏者」という芸術家寄りの意識はかなり高かったように思います。
「オレのトロンボーン、即興演奏を聴け!」ではなく、「一般のお客様に楽しんでいただくためにはどうしたら良いか」を学んだ一番大きな経験が、ディズニーのパフォーマーだと思っています(演奏技術以外の大切な要素をたくさん学びました)。
また、30代前半では、矢沢永吉さんのような大物アーティストともたくさん共演させていただきました。
彼のパフォーマンスもまたエンターテインメントそのものだし、唯一無二のアーティストです。「僕はジャズトロンボーン奏者を目指しているんだから、地道にライブだけをやっていれば良い」と考えていたら、決してご一緒する事はなかったはずです。
矢沢永吉さんのほか、大物アーティストたちから学んだ事は計り知れません。
中学校、高校、留学先でお世話になった先生方にもとても恵まれていたので、自分も後進のために何かしたいと感じました。
ヤマハ音楽教室の講師なども経験しましたが、人を教えるという事は、自分の楽器の技術にも役立つし、人生、音楽の役にも立ちます。
参考:『音大卒の演奏家が仕事を得る方法』Vol.7 レッスンの仕事に誇りをもとう!
2016年にリリースしたCDは、あえて自主制作で、誰にも干渉されずに、自分のオリジナル曲のみを収録しました。
僕のような凡人が「芸術家」として自分なりに表現が出来たのは、35歳を過ぎてやっとの出来事です。
まだ通過点にすぎないですが、これまでの経験が大きく反映されていると思います。
一極集中ではなく、いろいろな事をやってきて良かったと思っています。
「ジャズトロンボーンしかやらない」というスタンスでは絶対にこのような音楽にはなっていないし、経済的にもある程度成功出来たので、自主制作という形で100万円近い金額を投資出来ています。
僕自身は、このような経験をしたうえで、矢沢永吉さんのような大物にはなれなくても、将来多少なりとも人の心を動かせるようなアーティストになれれば良いなと思い、今も勉強を続けています。
その年代でしか経験出来ない事をしよう
以前、とある業界の先輩に言われた事があるのですが、
20代はガムシャラに何でもやれ!
30代で方向性を考えろ!
40代で結果を出せ!
これは割と(僕の中では)正解と言うか、このような生き方をしている気がしますね。
日本はやはり年功序列の感覚が強い社会だと言えますし、そうでなくてもある程度は「年相応」というのはあると思います。
「人生いつでもやり直しがきく」とか、「いくつになっても気持ちがあれば何でも出来る」と無責任な事を言う人もいますが、たとえば女性があまりに高齢で出産するのはリスクが高いし、僕は来年40歳ですが、今からサッカーの日本代表選手を目指すのは100%不可能です。
音楽でも40代や50代の新人は、使う側からしても難しい現場もあると思います。
アスリートに比べれば寿命は長いですが、それでもその年代でしか経験出来ない事も多いと思うので、やはり「人生設計」や「計画性」は大切だと感じますね。
その意味でも先ほども書いたように、「自分が何をやりたいのか、どうなりたいのかを明確にする」のはとても大切です。
ガムシャラにと言っても、それは「イエスマンになって何でもやれば良い」という話ではありません。「自分の目的実現のために必要だと感じたら、ガムシャラに食らいついていきましょう」という意味です。
信念をもっていれば、ブレる事はなく、(一時的な失敗も含め)やる事すべてがプラスの経験となり、あなたの音楽や人生そのものになっていくのではないでしょうか。
報酬 = お金ではない
皆さんはこの業界にいると(芸能界もですが)、「ギャラ」という言葉を聞いた事がありますよね?
ギャラ=ギャランティー(guarantee)なんですが、日本語訳が「お金」とか「謝礼」だと思っている人はいませんか?
おそらくこれは和製英語(日本だけの解釈)で、本来の意味は「保証」です。アメリカでは謝礼の意味では使われません。僕の経験で、謝礼はフィー(fee)だったと思います。
日本では「ギャラ=お金・謝礼」という感覚があるように思いますが、確定申告などをする際の区分では「報酬」という言葉を使います。
僕はこちらの「報酬」という言葉のほうがしっくりくるんですよね。
なぜなら、「報酬というのは時に金額に比例しない価値をもつ」からです。
先ほどディズニーランドや矢沢永吉さん、ヤマハ音楽教室の例を書きましたが、報酬が高いのはこれらの仕事だけではありません。
僕はフィリピンの貧困の子どもたちに楽器を届けて音楽を教えるボランティアや、東日本大震災の復興支援活動も行ってきました。これらは1円ももらっていませんし、むしろお金を払っていますが、いわゆるビジネスでは得られない報酬があったと考えています。
実際フィリピンに行くため、後から入った大物アーティストのツアーの仕事を断りましたが、人生をトータルで考えた際に、損はしていないと思っているので、今でも何の後悔もありません。
最近は「ブラック企業」や「働き方改革」などという言葉もあり、労働環境や最低賃金もずいぶん向上しています。この事自体はとても良い事だと思いますが、音楽家を含むフリーランスは、実力や実績が伴って初めて評価されるという事を忘れてはいけません。
若いうちは「経験という報酬」をたくさん得て、演奏の技術だけでなく、社会的にも人間的にも評価され、必要とされてこそお金という対価を得られます。
最近の若い世代は、僕らが20代のころより良くも悪くもお金にシビアな気もしますが、目先の金額しか視野に入っていないのはとても危険な事です。
社会情勢とは反比例し、音楽業界は昔の相場より安くなっている現場も多いわけで、先輩たちのころに当たり前だった金額をもらえるとは限りません。先輩たちからや、音大で教わらないもっと広い視野で社会を見ないとフリーランスの音楽家として生きていくのはとても難しい時代になってきています。
フリーランスそのものも、サラリーマン、OLと比べるとハイリスクハイリターンな選択である事をもう少し自覚しておいても良いのかもしれませんね。
あなたはどうやって仕事を選び(もしくは選ばずに?)、あなたの人生を歩んでいきますか?
次回記事:Vol.6 あきらめない勇気 or あきらめる勇気
前回記事: Vol.4 留学する? or 日本にとどまる?
音楽大学でクラシックやジャズなど、いわゆる西洋の音楽を学んでいたら、誰もが一度はこのテーマ(欧米への留学)について考えた事があるのではないでしょうか。
サッカーのワールドカップをご覧になった方も多いと思いますが、世界のレベルに触れ、より高いレベルにあこがれたり、目指したいという感情が生まれてくるのは、ごく自然と言えるかもわかりませんね。
僕自身は高校を卒業した後、大学に進学せずにプロとなり、ジャズやテーマパークの仕事などを経験させていただきました。
幸運な事に、高校のころからアメリカのトッププレイヤーとご縁があったので、やはり本場で勉強したいという想いは強く、いったんプロ活動を休止し、エンターテインメントの聖地とも言えるラスベガスの学校に留学する選択をしました。
1年ちょっとアメリカで過ごし、今はまたこうして日本で活動していますが、留学にもいろいろとメリットと(あえて言えば)デメリットがあったなと感じます。
留学するメリット | 留学するデメリット |
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こんな「可能性」が考えられますね(必ずこうなるという話ではありません)。
留学のメリット
音楽のスキルアップが出来る
日本にも素晴らしい学校があり、先生もいらっしゃる事を前提にしたうえでの話ですが、やはり海外を経験するというのは「学び」が多いと思います。
実際、日本の素晴らしい先生たちも、海外留学の経験をされた方は多いと思います。
先ほどもサッカーの例を書きましたが、ご存じのとおり、日本にはJリーグという素晴らしいプロリーグがあります。日本代表に選ばれるような優秀な選手たちは、より高いレベルを求め、海外のリーグに拠点を移していますよね。
その中でさらに揉まれる事で、ワールドカップのような大舞台でも輝きを放つ選手が出てきています。また、そこでの悔しい想いを胸に世界のリーグに戻り、さらに自分自身や日本のサッカーのレベルを向上させていきます。
こうやって貪欲にスキルアップを図るというのは決して楽ではないと思いますが、やった人にしかわからない人生の充実感があるのもまた事実ではないでしょうか。
言語の習得が出来る
当然ですが、留学をするという事は、英語のような世界の公用語と言える言語か、その国の母国語で勉強する事になります。
残念ながら、日本語のみで海外留学が出来るほど、我が国の言語は世界で通用しません(先進国と思っていても、アジアの小さな島国なんだという事を実感します)。
もちろん、もう一つ新たな言語を習得するというのは、音楽のスキルを得る事以上に大変で、これが大きなハードルになる人も少なくないですが(僕自身もそうでした)、帰国した際にちょっとした通訳を頼まれたり、ネットで欧米の最先端の情報にアクセスしやすくなったりと、可能性は大きく広がるのではないかと思います。
さらに音楽の場合、それそのものが言語と密接な関係があります。
僕はジャズを勉強していましたが、ジャズそのものが英語です。ジャズらしい発音で演奏をしようと思った場合、ネイティブのような英語の発音が出来たほうが良いと僕は考えています。
(興味のある人は、僕のホームページに細かく書いてあるので、読んでみてください)
https://mtfujimusic.com/2634/
https://mtfujimusic.com/2651/
https://mtfujimusic.com/2667/
声楽やボーカルをやる人は、ドイツ語やイタリア語、英語が正しく発音出来る事や、歌詞の意味を理解出来ている事は必要不可欠ですよね。日本にいるだけでは絶対に出来ないとは断言しませんが、留学など、海外経験があるほうがアドバンテージは大きいと言えるのではないしょうか。
その国の文化や価値観を学べる
僕はこれが一番大事なんじゃないかと考えています。
ここまでに書いてきたように、技術や言語は今の時代、日本にいてもかなり高い水準で学べると思うんですよね。
ただ、文化や価値観は、やはり「肌で感じる」必要があると考えています。
ニューヨークやロサンゼルスの街を歩いていると、本当にたくさんの国の人に出会います。
日本ではほぼ定刻どおりに走っている鉄道ですが、海外では平気で2時間くらい遅れてくる場所もあったし、それが当たり前なのか、誰もクレームをつける人はいません(おおらかな時間の流れを感じました)。
日本にはたくさんのお寺や神社がありますが、それほど信心深い人は多くありませんよね。海外に行くと、自分が信じている宗教を本当に深く信じている、愛している姿を目の当たりにする事もあります。
歴史上、白人と黒人の差別はなくなった事になっていますが、本当かな?と感じた事もあります。
音楽は決して特別なものではなく、このような社会的、文化的な背景のもとに発展し、根付いていると思うんですよね。
これらはやはり、YouTubeやインターネットニュースで学ぶのには限界があります。
「肌で感じた経験」がその人の音になり、より人間らしい、深い音楽を奏でられるようになるのではないでしょうか。
留学のデメリット
(僕にとってはすべてが良い経験で、正直デメリットだとは考えていないのですが、便宜上、こう書かせていただきます)
お金がかかる
やはりこの点は一番大きくのしかかる問題ではないかと思います。
たとえば日本で私立の音大に通わせてもらったとして、それ以上の高い学費を出すのはちょっと無理というのもよくあるケースです。
僕自身の経験で言うと、アメリカ留学はけっこうなお金がかかります。
うちは親からの援助がほぼありませんでしたが、テーマパークのレギュラーの仕事の際に貯めたお金と、返納しなくて良い奨学金のおかげで、1年ちょっとのアメリカ滞在と通学が出来ました。
とは言え、生活費などは自腹なので、卒業の夢はとうていかないませんでした。
お金の問題はとてもリアルなので、各自で情報収集し、よく考えてください(奨学金は国によっても違うし、アメリカの場合だと、州立大は州によっても制度が違うと思うので、よく調べたほうが良いです)。
日本での人脈が途切れる
日本でフリーランスとしてやっていくためには、いかに単発の仕事を多くこなし、いろいろな経験を積み重ねていくかが重要になります。
音楽に限った話ではありませんが、いわゆる「売れている人は良い人脈をもっている」と言っても過言ではないのではないでしょうか。
このブログの読者は、音大生、音大卒の方が多いと思いますが、同じ学校の先輩から仕事がくるというのはよくある話ですよね。頼みやすいという意味ではごく自然な事だと思います。
(僕自身は高卒で音大に進学しなかったので、先輩から仕事くるという経験はなく、それなりに苦労しました。ただ、その分、人脈作りのために動いたので、結果的には学校の枠などにとらわれない、幅広い人脈をもっていると思います)
高卒でそのまま海外留学をした人は、日本に帰ってからの人脈が狭く、すでに仕事が回っている各大学ごとや国内のコミュニティに入れなくて、比較的苦労をしている人が多いという印象があります。
大学を卒業してから留学した人も、一定期間日本を離れる事になります。その間に日本で地道に経験を積み重ね、信頼を得ていった同期や後輩たちのほうが、結果的にはうまく仕事を取れているケースはよくありますね。
僕の場合、19歳から日本でプロ活動をし、ある程度人脈があったうえで留学しましたが、たった1年ちょっとで帰国しても「自分のそばにあった仕事が離れた」というリアルな感覚がありました。
クラシックの音楽家で言うところの、「国際コンクール優勝」のような実績を作り、「逆輸入」のような形になれれば良いですが(ソリストで呼ばれるレベルになったり、オーケストラに入団出来れば良いですが)、そうでない人はそれなりに大変かもわかりません。
もちろん留学経験者でも、うまく人脈に乗って仕事をしている人もたくさんいるので、結局はその人しだいですが。
日本との価値観に差を感じてしまう
メリットに書いた「その国の文化や価値観を学べる」事は何より大切で、人生を有意義にするものだと思います。
ただ、あまりに海外の文化や価値観に慣れすぎてしまうと、日本でやっていくための常識、ルールとかけ離れてしまう場合があります。
たとえばタイムマネージメント。
前述した海外の鉄道のように、遅れるのが当たり前という価値観になってしまい、それを日本の音楽業界に当てはめ、入り時間などに遅刻していると、当然日本では通用しません。
先輩後輩関係でも、海外は日本ほど強い年功序列感はないし、自分の意見を主張しても「出る杭は打たれる」感はないのですが、日本には(良くも悪くも)その感覚はあるのではないかと実感します。
良い方向に転べば、海外の大らかな価値観を身に付け、うまくやっていけるのですが、悪い方向に転ぶと、日本の狭い価値観に対応出来ず、自覚症状がないままに周囲とうまく合わせられないという人も見かけます。
実際、海外経験を経て、「私は日本よりこちらが向いている」と気付き、そのまま滞在し続ける人も多いです。選択肢が広がって良いと思うのですが、それくらいカルチャーショックがあり、人生観が変わる可能性があるのを知っておいても良いかもわかりせんね。
僕個人の感覚としては、留学に使ったお金も、一度途切れた人脈も、新たに学んだ文化、価値観の違いも、すべてが「学び」で、デメリットだと感じた事は一度もありません。
つまり、留学した事にはなんのデメリットもないのですが、人によってその感じ方はさまざまではないかと思います。
インターネットで世界が狭くなったのは事実かもわかりませんが、自分の目で見て肌で感じないと体験出来ない世界があるのもまた事実かと思います。
このブログの内容も、あくまで僕が体験した海外で、皆さんはインターネットを通じて得ている情報です。あなたが留学した場合、全然違う体験になるでしょう。
もちろん、日本で地に足をつけて頑張るのも素晴らしい事です。どちらを選ぶかはあなたしだいです。個人的には、チャンスがあるなら、ぜひ海外での経験もしたほうが良いと思ってはいますけどね。
一度しっかりと向き合ってみる事をオススメします!
次回記事:Vol.5 仕事を選ぶ? or 選ばない?
前回記事:Vol.3 大手ハンバーガーチェーン店で食事する? or ちょっと高級なお店?
いきなりですが、皆さんふだん、どんな所で食事をしていますか?
実家暮らしの人はあまり苦労する事なく、親御さんの作ってくれた料理を家で食べているかもしれませんし、一人暮らしの人は、自炊をしたり、スーパーのお惣菜コーナーやコンビニ、ファストフード店などを多く利用しているかもしれませんね。
なぜこんな話をするかは後々解説しますが、まずはハンバーガー店でメリット、デメリットを比較をしてみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
大手ハンバーガー チェーン店 |
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高級ハンバーガー店 |
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こんな違いがありますよね。
単純に、メリットとデメリットは真逆であるのがわかると思います。
質の高いサービスから学べる事
今回のテーマは、
「(それなりに)きちんとしたお店に行きましょう!」
です。理由の一つは、
ハンバーガーや牛丼、コンビニ弁当ばっかり食べていると、栄養バランスが悪く、健康管理の面で良くない
なんですが、かと言って「高級ハンバーガーを食べ続けましょう」という話ではありません(食べ続けていたら、いくら高級でも身体に悪いです)。
皆さんに伝えたいのは、
「質の高いサービスを経験しましょう!」
という点です。
なぜだかわかりますか? それは、音楽家という仕事もサービス業だからです!
ものすごく基本的な事だと思うのですが、
質の高いサービスを受けた経験がないと、質の高いサービスは提供出来ない
と僕は考えています。
身近なサービスの質と価格を比べてみる
今回のタイトルはハンバーガー店にしてみましたが、もちろんそれに限った話ではありません。
- コンビニ&スーパー/デパート&百貨店
- 回転寿司/カウンターで一貫ずつ握ってくれる寿司屋
- 大手居酒屋チェーン&ファミレス/こだわりの創作料理、お酒を出す居酒屋&レストラン
- 衣料量販店/ブランドの衣料品店
- 駅によくある1000円カットの理容店/カリスマ美容師がいるお店
- 格安ビジネスホテル/高級ホテル
- 夜行バス/新幹線
- LCC/ANAやJAL
- 飛行機のエコノミークラス/ビジネス&ファーストクラス
- さびれた地方の遊園地/ディズニーランド
ざっと挙げてもこれくらいあり、すべて皆さんにとって身近なものですよね。
体験したものがあれば、サービスはどう違ったか、価格にどれくらい差があったか、客層はどう違ったかを思い出してみてください。
そしてもうひ一つ大切なのは、そのサービスを受けた時、あなたはどう感じたかです(顧客満足度という言葉を聞いた事があると思います)。
たとえば、夜行バスと新幹線では、スピード、快適さ、安全性、運賃の差は一目瞭然ですよね。
極論になりますが、高速バスでは何度も痛ましい死亡事故が起きています。それに比べ、新幹線では開業以来、JR側に過失のある死亡事故は起きていません。
音楽家のサービスに命の危険はありませんが、ものによってはそれくらいの差があるという事です。
あなたがお客様だった場合、どちらを選びますか?
僕も若手でお金がなかったころはよく高速バスにも乗りましたが、最近ではよほどの事情がない限りは新幹線を選びます。
何が言いたいかと言うと、
お客様は常に、サービス(商品)の質と価格が自分にとって適切か、相応かを判断しながら買い物をしている
という事です。
楽器に置き換えてもわかりやすいかもしれません。
ピアノ科の音大生で、電子ピアノしか弾いた事がない人はいませんよね。
管楽器の音大生でも、ネットで買える安価な中国製の金管・木管楽器を使っている人はいないし、自分の生徒さんにも決して薦めないでしょう(※中国製すべての否定ではありません/中国の伝統楽器などにも言及はしていません)。
つまり、皆さんはお客様の立場で、ちゃんとその価値が判断出来ているはずなんです。
それにもかかわらず、身近な生活になると、度を越えてケチな人がけっこういます。
質の高いサービスには、必ずその人の「心」が入っています。
チェーン店で、どのバイトの子が作っても迅速に同じ物が何個も出来るハンバーガーと、素材にこだわって一つひとつていねいに作っているハンバーガーが同じ味のわけがないですよね。
工場で大量に作られた楽器と、職人さんが一本一本作った楽器は、素材や心のこもり方が違うはずです。だからこそ値段に差が出てくるんです。
自分のサービスに置き換えてみる
あなたが音楽家として成功し、きちんとした対価を得られるようになるためには、質の高いサービスを経験し、(自分なりの感性で)良い物は良いと感じられる人間になっている事がとても大切です。
- 料理はとても美味しいけど、お店や食器の清潔感がない、店員が無愛想で言葉遣いが汚い
これを音楽家に置き換えるとどうなるでしょうか?
- 演奏はとてもうまいけど、服や髪などの身だしなみが整っていなくて、(レッスンなどでも)無愛想で言葉づかいが汚い
こんな感じになりますよね。
良いサービスにお金を使えない人は、周りにも(あなたのお客様にも、同業者の友人も) そのランクの人が集まってきます
あまりに節約の事ばかりを考えて良いサービスを経験しないと、あなたはそのランクから抜け出す事は出来ません
これが僕の持論です。
僕自身、今でも大手ハンバーガーチェーンもコンビニも、スーパーのお惣菜コーナーも利用しますし、100円ショップや家電量販店などで、安くて品質の良いものはもちろん利用します(安いものを使ってはいけないという話ではありません)。
かと言って、「銀座や六本木で豪遊しましょう」でもありません。
今回の話は決して「無駄遣いをしましょう」ではないので、誤解しないようにしてくださいね。
ふだん生活をしていたら、1日に何度も「サービスを受ける」はずです。その1回1回が勉強です。
- そのサービスはどれだけ相手の心がこもっていたのか
- そのサービスを受けて、安いと感じたのか、高いと感じたのか
- もう一度利用したいと思えたのか?(それはなぜか?)
こんな意識をもち、自分が音楽家として、どんなサービスを提供したいか(どうやって相手を満足させたいのか)に置き換えるようにすれば、きっと演奏技術以外のスキルも向上するでしょう。
参考:変換力
ちょっとした事からでいいです。
いつもはチェーンの居酒屋で平均的な料理と飲み放題だけど(客単価3000円ぐらい)、アルバイトで臨時収入があった時なんかに、少し上のランクのお店(客単価5000円ぐらい)に行ってみるとか。
仮にあなたが1レッスン3000円で受けているとして、5000円もらえるようにするには何が必要か、そのヒントがあるかもしれませんよ!
次回記事:Vol.4 留学する? or 日本にとどまる?
前回記事:Vol.2 アルバイトをする? or しない?
皆さんの多くは学生時代や卒業後にしばらくの間、アルバイトの経験をする事になりますよね?
海外旅行に行きたいからお金を貯めるとか、就職が決まるまでの間、繋ぎで働くというのはそんなに難しくないですが、フリーランスの音楽家の場合、音楽の仕事で自立するまでの当分の期間、アルバイトを並行する必要があるかもしれません。
どんな仕事を選択するかは意外に重要ではないでしょうか。
在学中からアルバイトをやるべきか?
まずは、そもそもやるか、やらないかの話です。
昨年音大に入学したAさんは、親御さんから学生時代のアルバイトを禁止されていました。
僕のように、絶対にアルバイトをするしかない状況にあった人間からすると、援助があり、練習に専念出来るのはうらやましい限りなんですが、たったこれだけの事にもメリット、デメリットがあると思います。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
アルバイトをしない |
|
|
こんな可能性がありますね(あくまで「可能性」です。絶対にこうなると断言しているわけではありません)。
学生時代にアルバイトをしないデメリットとは
メリットに関しては説明するまでもないので省略させていただき、デメリットのほうを解説していきます。
「社会経験が少ないまま大人になってしまう」とはどういう事でしょうか。
皆さんのほとんどは「音楽を職業にするために」音大に進学するんですよね。
専門性の高い仕事において、そのスキルが高いのは当然ですが、もう一つ大切な事は「社会性」であり、「どうやってお金を稼ぐか」や、「どうやって周囲とコミュニケーションを取るか」といったノウハウを学ぶ事です。
音大では楽器などの技術は教えてくれますが、社会勉強は社会に出て学ぶほうが効率的です。その最も簡単な方法がアルバイトではないでしょうか。
僕は高校生のころから写真屋さん、スーパーの早朝の品出し、コンビニ、飲食店などを経験しましたが、楽だなぁと思ったアルバイトは一つもありません。そこでの一番の学びは、
「たった1000円を稼ぐのがどれだけ大変なのか」
という事(2018年6月現在、東京都の最低賃金は時給958円ですが、僕が学生のころはもっと安くて、初めてやった仕事は時給680円でした)。
あえて音楽に関わるアルバイトはせず、「早くここから抜け出したい!」と思って仕事も練習も頑張りました。
でも、嫌々働いた事はなく、学びを楽しんでいたし(感謝していたし)、「自分の夢に向かって一歩一歩前進している」という希望や実感もありましたね。
稼いだお金でCDや楽譜を買ったり、ライブやコンサートにも通ったので、その価値は親に援助してもらうよりはるかに高いものだったと思っています。
何かのサービスを提供し、お客様からお金をいただくというのはどういう事なのか(どれだけありがたい事なのか)や、時給1000円の仕事というのは世間的にどの程度の地位にあり、どんな人がやっているのかなど、学んだ事はキリがありません。
「コミュニケーションスキル」も重要な要素です。先ほども書いたとおり、僕は音楽関係のアルバイトはしなかったので、主婦や司法浪人生など、いろいろな人と仕事をしました。雑談から学んだ事もたくさんあります。
上司に言われた仕事を的確にこなしたり、後から入って来た人に仕事を教えたりする能力も(当然年上の後輩が出来る事もあります)、学生ではなく、社会の一員としてやる事で「学びの質」が変わってきます。
ハングリー精神を強くもつ
前述のAさんの親御さんを否定するつもりはもちろんないのですが、僕個人の考えとしては、
「早く社会に出て金銭感覚や社会性を学んだ人のほうが、練習やスキルアップへのモチベーションが高く(ハングリー精神が強く)、将来的には成功している人が多い」
と思います。
親御さんは、「子どものために」と思ってやった事が、結果、自立を遅らせたり、妨げてしまう可能性がある事も知っておくべきだと感じますね。
アルバイトで学業に充てるべき時間が削られるというのは半分正解だと思いますが、それ以前に時間を無駄にしている学生さんはたくさんいます。
人は本当に時間がない状況のほうが、「自分の生活のどこかに無駄はないか、もっと効率良く時間を使う方法はないか」を考えるものです。
フリーランスの仕事は演奏以外にも想像以上にやる事が多いので、時間の使い方を考える能力はスキルアップのための必須条件ではないでしょうか。
法律的、年齢的な大人になっても、本質的に大人になっていなければ一人前の音楽家(社会人)になる事は出来ません。
自分が少々親御さんに甘えすぎだと感じる人は、週1回、数時間でも良いので、アルバイトをしてみる事をオススメします。
もちろん、それでもアルバイトはしないという選択肢もあると思いますが、その人は、ここに書いたようなリスクを知り、親御さんに感謝をし、ハングリー精神をもって学業に専念すると良いですね。
音楽関係のアルバイトは役に立つのか?
繰り返し書いていますが、僕はあえて音楽関係のアルバイトはしませんでした。その理由は、
「絶対楽器で食えるようになってやろう!」という欲求を高めるため
これが一番にあったと思います。それから、
音楽関係のアルバイトは、実はさほど音楽に関係がないし、時給が安くて、スケジュールの融通が利きにくい
という点です。
僕の周りにも、音楽スタジオ(リハーサルスタジオ)や教室の受付スタッフなどのアルバイトをしている人がけっこういますが、やっている事は普通の事務仕事とほとんど変わりません。
また、音楽業界は決して景気が良いとは言えないので、一般の職種と比べて時給が安かったり、人手不足で休めず、たまに入った楽器の仕事に影響が出たりするケースも考えられます。
そもそもスタッフ(裏方)志望で働いている人はそれで良いと思いますが、音楽家を目指して働いている人が集まっても、あまり良い事はありません。
この業界では30歳になっても自立出来ない人がたくさんいるので、周りがそういう人たちばっかりになっている場合もあります。その環境では、「30歳になっても食えていないのは仕方がない、あの人もあの人もそうだ、だから自分もまだ大丈夫」というようなネガティブな空気が蔓延しています。
さらに雇用する側も、「好きな業界で働いているんだから、時給が安いのやスケジュールの融通が利かないのは我慢しなさい」とか、「お前が音楽家として食えていないからうちで雇ってあげているんだよ」というような事を、実際には口に出して言わないまでも、そういう意識でいるところが少なからずあると感じます。
お互いに低め合っているという事ですよね。
「類は友を呼ぶ」や「朱に交われば赤くなる」ということわざがありますが、本当にそうなります。こういう人たちとは関わらないのが一番です。
仮に音楽関係のアルバイトをするにしても、経験として短期間やってみるか、意識の高い人ばかりが集まっている環境を選ぶ事ですね。
ただ僕は、「このアルバイトを経験した人は、かなり高い確率でプロとして成功している」というような音楽関係のアルバイトを一度も見た事がありませんが……。
アルバイトを選択するポイントは?
では実際に、どんな事に気をつけて選択すると良いのでしょうか。
①スケジュールの融通が利くか
②時給がいくらか
③どれだけ学びがあるか
④必要以上に体力、精神力を使わないか
こんなところではないかと思います。まず大前提として、
この4つがすべて完璧に揃っているアルバイトはありません。
これを実現出来ている人は「社会的に地位の高い人」です。
前回書いた「メリットとデメリットを書き出す」、「デメリットを補う方法を考える」を実践し、なるべく自分自身の目的達成の手段として適しているものを選択しましょう。
アルバイトで音楽の仕事を断るのは本末転倒
今度は友人の若手フリーランスB君の話です。
僕のところにポップス(歌モノ)の作曲家さんからブラスアレンジとレコーディングの依頼があったのですが、納期が5日程度しかない急な案件でした。
依頼された翌日しか僕のスケジュールが空いていなくて、いつもお願いしている経験値が豊富な奏者たちがなかなかつかまらず、「じゃあ今回はこのB君に経験の機会を作ろう」と思って声をかけたのですが、アルバイトを理由に断ってしまいました。
B君が何の仕事をしていたかは忘れましたが、時給は1300円くらいで、比較的高額なアルバイトだったと思います。この彼は②を優先し、①を犠牲にしていますよね。
音楽の仕事を断ったら本末転倒です。そして実は、
1本の仕事を断るという事は、その1本分の報酬よりもはるかに高い損をしている事に気付く必要があります。
もしもB君がこの仕事を受けて結果を出せば、「ギリギリでもスケジュールの融通が利いて頼みやすいし、プレイも良かったのでまた呼ぼう」となりますが、やる前に、しかもアルバイトで断っていては当然、次はないですよね。
こういうタイプはほかの人に対しても同じ事をやっているので、自分を気にかけてくれている先輩の期待に応えられず、チャンスを得る機会のないまま自滅していきます。
自立したら数百万稼げるようになるかもしれない、その第一歩なのに、それを無駄にしているという事に気付かなくてはいけません。
これも、前回シリーズで書いた「投資」の考え方の一部です。
「目先の時給1300円で大事なチャンスを犠牲にするのか」
or
「時給は東京都の最低賃金958円だけど、融通が利いて絶対チャンスを逃さないのか」
どちらの選択が将来への投資として正しいのか、よく考えてみてください。
先ほど書いた「お前を働かせてやっているんだ」タイプのブラックな企業、経営者と仕事をしても、社2会の厳しさは多少学べるかもしれませんが、それ以上の学びはありません。
こんな人たちと働くのは無駄に精神、体力をすり減らすだけで、適切な努力ではないので、さっさと縁を切ってしまいましょう。
さらに前回シリーズでは、健康管理の大切さにも触れたと思います。
たとえば、夜勤の仕事は時給が高いというのは世の常ですが、それで体調を崩してしまっては元も子もありません。
若いうちは多少無理も出来るかもわかりませんが、体調が不安定で練習のクオリティーが下がったり、せっかく舞い込んできた仕事で結果を出せなかったりしては意味がないので、無理だと思ったら夜勤は避けるべきです。
自分を高めてくれる人たちと関わろう!
じゃあ結局、どんな仕事をすれば良いんだ?と感じるかもしれませんが、それくらいアルバイトの選択は難しく、一長一短であり、それが人生を左右するという事です。
僕の経験から言えるのは、
「早く音楽で自立しよう、結果的にそれが一番簡単」
だという事。
きちんと自立出来るようになれば(自分の能力を最大限生かして仕事をすれば)、①~④の要素をすべてもった仕事が出来る可能性が高く、僕の周りにも、それを実現出来ている人はたくさんいます。
そのためにも、たとえアルバイトでも、自分を低め合う環境ではなく、高めてくれる人たちと関わるようにしましょう!
次回記事:Vol.3 大手ハンバーガーチェーン店で食事する? or ちょっと高級なお店?
前回記事:Vol.1 実家に住むか? or 一人暮らしをする?
株式会社ソナーレ アルバイト募集中!
NSP協賛企業の株式会社ソナーレでも、あなたが音楽家として成功するためのアルバイトを用意しています(詳しくはこちら)。
興味のある方は電話(03-5958-0051)またはメール(mailmaster@sonare.co.jp)にてお問い合わせください!
本日からまた新シリーズが始まりました!
人生には必ず「選択を迫られるタイミング」が訪れますよね?
そんな時に、自分にとって正しい選択をするのが成功の鍵と言っても過言ではありません。
皆さんはどうやって音大を選びましたか?
その選択は正しかったと感じていますか?
これから何回かに分けて選択肢を提示していきますが、まずは大前提として、
この記事を読みなおしておいてください。
あえて「正しい選択」という言葉を使っていますが、正しいかどうかを判断するのはあくまであなた自身です。
「実家」と「一人暮らし」のメリット&デメリット
前回シリーズの『フリーランスで成功するための”10の秘訣”』と比べると、ずいぶんクオリティーが下がったと感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが、実はとても重要な問題だと思います。
そもそも地方出身のかたには選択の余地がないのですが、後々役に立つので、とりあえず最後まで読んでくださいね。
東京、神奈川、千葉、埼玉辺りにお住まいのかたは、通う大学にもよると思いますが、実家か一人暮らしかの選択が出来ると思います。
ここでいきなり最大のポイントですが、僕が何かの選択をする際に必ずやっている事は、
- メリットとデメリットを書き出して、自分にとってメリットが多いと感じた方を選択する
- その後、デメリットを補う方法を考える
ただこれだけです。
それでは、今回のトピックで具体的に検証してみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
実家 |
|
|
一人暮らし |
|
|
このような可能性が考えられます。
あなたの「目的」を達成するためには、どちらの「手段」が正しい(メリットが多い)と感じますか?
僕の住まい遍歴
僕はちょっと特殊な人生を歩んでいるので、参考になるかわかりませんが、せっかくなのでシェアさせていただきますね。
実家~家賃を払わない事のメリット
うちは母親が僕が小学校に入る直前に亡くなり、大阪の父方の祖父母に育てられたのですが、中学2年生からは東京に来て、父親と二人暮らしでした。
そもそもこの時点で一人暮らしみたいなもので、一人で晩ご飯を食べるなんて事はざらにあったと思います。
高校卒業後、音大には進学せず、アルバイトをしながらプロを目指したのですが、やはり家賃を払わなくて良いというのは大きかったですね。
時給約1000円 x 週5日 = 1か月10万円程度
この収入で、CDを買ったり、コンサートやライブに行ったり、レッスンに通うのも十分で(練習場所確保のため、防音ブースも自分で購入しました)、一応投資は成功だったのか、19歳でプロ活動を始める事が出来ました。
それから、22歳でテーマパークのバンドのオーディションに受かり、千葉県に引っ越しました。この時も父と一緒に引っ越したので(実家をそのまま移動しただけなので)、基本的には家賃を払ってはいません。
ただ、一応給料をもらっていたので、「家に3万円入れなさい」と言われ、その通りにしていました。
いま覚えばですが、これが僕の自立の第一歩だったと思います(甘やかされなかった事を感謝しています)。
アメリカで初の一人暮らし~帰国後に決めた自立の目標
2年間のテーマパークの仕事で300万ほど貯め、そのお金でアメリカに留学しました。
ルームシェアはしていましたが、親元を離れての一人暮らしはこの時が初めてです。家賃だけでなく、食費や光熱費、それに、トイレットペーパーとか、そういった細々したものを積み重ねていくと、結構な金額になるんですよね。
この時僕は25歳なので、音大生よりは年上ですが、もちろん仕送りはなしです。
この体験をしておいて良かったと思います。
帰国してまた1年、テーマパークのレギュラーの仕事があり、また千葉で父親と一緒に住んでいたのですが、退団と同時に家を出る決意をしました。
人によっては、給料をもらえなくなり、不安定な状態になるわけですから、追い出されない限り、実家に住まわせてもらうという選択肢もあると思います。
この時僕が決めたのは、
30歳までに音楽だけで(親に頼らずに)自立出来なければ辞める!
という目標、覚悟です。
千葉での一人暮らし~通勤時間というデメリット
テーマパークからもだいぶ遠い千葉の5万円の家を借り、フリーランスになってからの音楽の仕事と貯金のみで1年間生活し、そろそろヤバいと思っていた頃、ラッキーな事に、ヤマハ講師のオーディションに受かり、その後順調に生徒も増え、それなりに生活出来るようになりました(現在はヤマハも辞めて独立しています)。
ちなみに、テーマパークもヤマハも、運が良かっただけと言えばそれまでなんですけど、やはり自分で引き寄せているのかな?とは感じますね。
千葉のはずれ(というと失礼ですが)に住みながら、大宮の教室にも通っていて、通勤が2時間以上かかっていたので、月に数回でも大変でした(都内も決して近くはなかったです)。
都心の家賃と引き換えに得られた数々のメリット
その後友人が秋葉原に所有していたマンションを借り、どこへ行くにも楽になりました(これもラッキーでした)。
僕は基本飽きっぽいので、しばらくすると環境を変えたくなります(笑)。
一度山手線圏内に住んでしまうと、この便利さは手放したくなくて、今度は大塚駅(山手線で池袋の隣)から徒歩3分の防音物件に引っ越しました。
家賃は千葉の頃の2倍。これを高いと感じるか、安いと感じるかがポイントです。
僕は安いと感じました。
なぜならそれは、お金で「時間と環境」を買っているからです。
スタジオやライブハウス、教室に通うにしても、通勤時間が短いのは言うまでもありません。
通勤に時間が取られないという事は、その分練習したり、勉強に使ったり、睡眠、ジム通いなどのコンディション作りにも充てられるんですよね。
終電が遅いので、時には先輩方と遅くまで飲み、その中から貴重な話を聞く事も出来ました(「終電なので」と言って早くに帰ってしまうのが悪いとは思いませんが、時には損をしている場合もあります)。
自宅がスタジオ状態で、生徒さんの方から来てくれるので、こちらは通勤時間ゼロ、拘束時間もレッスン時間のみなので、効率良く稼ぐ事も出来ました。
僕のオリジナルCDも、ピアノ、ベース、ドラム以外はうちでレコーディングしています(一部海外録音あり)。
仮に千葉で5万円の家に住み、通勤に3万円かかったら、都内で7万円の家に住み、通勤が1万円なのと1か月にかかる金額は同じです。
そのうえ時間が節約出来、この家でレッスンやレコーディングをしてお金を生み出し、練習によってレベルアップ、スキルアップし、さらに良い仕事が来るようになる。こう考えると、郊外の安い家に住むより、都内の練習も出来る、ちょっと高めの家に住む方が価値があると言えるのではないでしょうか(このような考え方を「費用対効果」と言います)。
千葉に戻る~通勤時間のデメリットを補う方法
現在はまた僕の飽きっぽい性格が出てきたのと(笑)、仕事が単発の演奏よりも、アレンジやディレクター、プロデューサー、ライターなどの業務に移行してきた理由から、千葉に戻り(東京都の県境くらいですが)、スタジオと自宅を分けて生活しています。
家賃は順調に(?)上がり続けてはいますが、自分にプレッシャーをかける事でスキルアップ出来ている気がしますね。
移動の時間は以前よりかかっても、その時間にこのようなブログを書いたり、事務仕事をするなどして有効に使っているので、さほどストレスはありません。
これが最初に書いた「デメリットを補う方法を考える」の部分です。
通勤が長いのは、考え方次第でいくらでもプラスになります。デジタルに縛られたくはないですが、スマホ、ノートパソコン、Wi-Fiなどは僕が学生だった20年前から比べると格段に便利になりました。それを生かさない手はないですよね。
というわけで、実家に住むか、一人暮らしをするか、都内に住むか、郊外に住むか、たったこれだけの事でも、よく考えて選択する事が大切だと思います(その後の人生に大きく影響を及ぼします)。
さて、あなたはどこに住みますか?
次回記事:Vol.2 アルバイトをする? or しない?
前回記事:Vol.7 音楽以外の能力を持ち合わせている/音楽が好きである、信念がある
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