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吉田佐和子執筆記事

音大在学中から将来に向けて今からできること4選

みなさんこんにちは、クラリネット奏者の吉田佐和子です。

今回は卒業後も演奏活動を続けるにあたって、音楽大学在学中からに向けてできることをご紹介します。

わたしが在学中に勘違いしていたことや失敗談もお伝えしますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

1.ユニットでの活動に固執しすぎない

音大に入って出会った仲間とユニットを組んで、ユニットの活動を卒業後も続けていきたいという人もいますよね?

わたしは大学在学当時クラリネットアンサンブルの活動にすごく力を入れていました。

大学卒業後はそのアンサンブルで仕事をしたり、CDを出したりして『アンサンブルでの活動を成功させて、収入のメインにしたい』という思いがあったのです。

しかし、実際に卒業してみるとクラリネットアンサンブルでのお仕事はそこまで多くなく、収入の一つの軸ではあるものの『メイン』にはなりませんでした。

クラリネットアンサンブルとは、クラリネット奏者が数名集まるわけですが、2人以上の演奏者に仕事を依頼するならクラリネットとピアノなど、同族楽器のアンサンブルでない方が良いと仰るクライアントさんが多いのが現状だったのです。

このように、希望と現実が違うということは実際によくあることですが、こういう知識は大学在学中でも情報を仕入れることが可能です。

わたしはクラリネットアンサンブルでの活動をメインの収入にしたい!と思っていた時間がかなり長く、別のことをする時間を削ってアンサンブルに関する活動をしていました。

ただ、今考えてみると、本当に情報不足だったと思いますし、あれだけ時間を使ったけれど結果的にはすごく偏った時間の使い方をしてしまったなと思います。

2.様々な編成を体験する

音大に入ると、ソロ、室内楽、オーケストラ、吹奏楽など授業で様々な編成を体験することができます。

先ほどの話とも少しかぶるのですが、なんとわたしは在学中にオーケストラの授業をとっていませんでした。

厳密に言うと、一度オーケストラの授業をとるためのオーディションに落ちて、そのあとは『卒業後はクラリネットアンサンブルを仕事としてバリバリやっていくから、オーケストラの仕事をすることはないな』と思っていたのです。

ただ、音大卒業後にフリーランスとして活動し始めたとき、寄せ集めのメンバーによるオーケストラメンバーとしての仕事をいただくことがあったのです。

あのときには『大学時代にオーケストラの授業とっておけばよかった・・!』とすごく思いましたし、未体験の編成をお仕事としてするというのはかなり緊張しました。

例えば録音のお仕事でもオーケストラ編成での録音もありますし、大学では卒業後のことも考えて色々な編成の授業をとってみることをおすすめします。

また、わたしがお仕事の依頼をうけたとき、基本的にはクラリネットだけで演奏することはなく、ピアノ奏者が必要になります。

わたしは、大人数での演奏依頼よりも2人や3人など少ない人数での編成で依頼をいただくことが多いので、室内楽などで少人数のアンサンブルに慣れておくことも仕事に役立ったと感じています。

3.様々な先生のレッスンをうける

音大の授業では、専攻の楽器だけでなく副科や室内楽など様々な先生のレッスンを受けることがありますよね。

先生との出会いは、自分の価値観や方向性を大きく変える可能性があるため、在学中は学内に限らず、様々な先生のレッスンを受けてみることをおすすめします。

先生によって、得意な分野が違ったり指導の仕方が違うのはもちろん、自分との相性がもっといい先生が見つかる場合もあります。

また、西洋音楽を習っている人は海外の先生のレッスンを受けてみるのも良いでしょう。

わたしはパリに3年間住んでいる間に様々な先生のレッスンを受けましたが、日本人の先生にレッスンを受けていたときとは全く異なる音楽的アプローチや指導法にとても刺激を受けました。

パリでレッスンを受けたことで指導方法について見直すきっかけになったし、自分の表現の幅を広げるきっかけにもなったと感じています。

もし何か現状や現在の先生との関係について悩んでいる人は、新しい先生のレッスンを受けることで新しい方向へ進むこともできるのではないでしょうか。

4.実現したい将来から逆算して今できることを認識する

わたしは在学中にオーケストラの授業をとっていませんでしたが、それはオーケストラ奏者になりたいという意思がなかったからでもあります。

もしオーケストラ奏者として活躍したいと思うのなら、毎回レッスンにオーケストラスタディの課題を持参したり、日々できることがあるでしょう。

また、クラシックの分野でやっていきたいと思っている人は、在学中に一通りコンクールで課題曲になる曲を勉強しておくと、各年代の楽曲を理解できるだけでなく、コンクールに挑戦するときにも楽になりますし、リサイタルを開催したりするときにも役立ちます。

他にも、在学中からスタジオミュージシャンとして活動したいと思っていた知人は、クラリネット専攻でしたが、フルートやサックスの奏法を習得し、卒業後はそれぞれの楽器でレコーディングに呼ばれるようになっていました。

卒業後、どんな方向に進むのかは、迷ったり変わったりすることもあると思いますが、あなたが興味のある方向へ進むために『日々どんな準備をすればいいのか』ということをクリアにすると毎日の行動が変わります。

わたしはクラリネットアンサンブルをメインの仕事にしたいと思ってたので、とにかくクラリネットアンサンブルばかりやっていたのですが、何かに注力するときは注力する価値があるという裏付けをとることが大切です。

昔のわたしのように、情報を集めず熱意だけで突っ走らないように気をつけてくださいね。

まとめ

音大卒業後の将来を考えて何か行動を起こそうと思ったとき、どんな情報を持っているのかで行動する内容が変わってきます。

本気でやっていきたいことこそ、自分の希望が音楽界の現状とかけ離れていないか?情報収集をする必要があります。

参考:『夢を実現させるために、最も大切な行動とは?』 Vol.1

また、音大の日々の授業やコンクールやオーディションと並行して将来のことを考える必要があります。

今思えば、わたしは学内のコンサートやコンクールを言い訳にして将来について考える時間をないがしろにしていたように思います。

将来について考える時間も、今起きていることに集中する時間も、どちらも大切な時間です。

そのバランスが偏りすぎないよう、今からできることをはじめてみてくださいね!

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