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オーケストラの特徴って??

こんにちは!NSPのオープンポジションスタッフとして活動しています、YUZUです。

現在は社会人ですが、大学院の時(2019年)に研究していたオーケストラ運営をテーマに、ブログを書かせていただいています。
前回のブログでは、オーケストラの人件費を取り上げました。オーケストラによって人件費に幅があるという事や、だからこそ高校生の今のうちに、将来の選択肢について考える時間を大事にするのも重要という事について書きました。

今回の内容も、前回に引き続き人件費が関係してきます。なぜ、オーケストラによって人件費が違ってくるのかという点を中心に、オーケストラの特徴を見ていきたいと思います。

オーケストラによって特徴は異なる?!

前回は、国内オーケストラに絞って、楽団員1人あたりの人件費がどれ位なのかについてお話しました(国内オーケストラは本当にたくさんあるので、その中でも公益社団法人日本オーケストラ連盟に加入している正会員楽団を取り上げています)。

こちらは、前回お見せした散布図です。

↑縦軸:全収入のうち、年間でオーケストラがどれだけ演奏活動によって収入を得ているかの割合(年間演奏収入率)を表しています。
→横軸:年間で1人の楽団員に支払うお金はどれぐらい必要か(1人あたりの年間人件費)を表しています。
緑の丸印:オーケストラ19団体の位置をそれぞれ示しています。

緑の丸印がいろんな所にパラパラと散らばっているのがわかるかと思います。ということは、演奏活動による収入率も、楽団員人件費の高さも、本当にオーケストラによってさまざまなのです。

よく見てみると、左下の方には丸印がないですね…。
何か理由があるのでしょうか?
そして、オーケストラごとに、なぜこのような違いが出てくるのか気になりませんか?

今回は、これらの緑の丸印をグループ分けしたうえで、オーケストラに特徴があるのかどうかをグループごとに見ていきたいと思います!

オーケストラには特徴がある

オーケストラごとに個別の特徴を見ていく前に、グループに分けて、ざっくりとした特徴をつかみたいと思います。まず、緑の丸印をグループに分けるために、下のように線を引いて区切りました。そうすると、縦と横の線で区切られた4つの枠が見えてきます(縦軸の「年間演奏収入率」は、0%から100%までの真ん中である50%を基準としています。横軸の「1人当たりの年間人件費」は、日本の男女平均賃金である397万円を基準としています)。

左下の枠に当てはまるオーケストラは、やっぱりありません。そこで、残りの3つの枠に、それぞれA、B、Cと記号をつけました。

A、B、Cのそれぞれの枠の特徴を整理してみると、こんな感じです。

項目 A B C
1人あたりの年間人件費 約250万円 約530万円 約640万円
年間演奏収入率 約80% 約60% 約40%
年間演奏収入額 約4億円 約6億円 約3億円
年間楽団収入 約5億円 約10億円 約8億円

 

年間全公演数 約110回 約150回 約120回
主催した公演数 約30回 約55回 約60回
主催した公演が全公演に占める割合 約30% 約40% 約50%
依頼された公演数 約80回 約95回 約60回
依頼された公演が全公演に占める割合 約70% 約60% 約50%

※値が一番大きい所に色をつけました。

A枠のオーケストラ:演奏活動による収入の割合がトップ!
3つの枠の中で、年間演奏収入率が一番高く、約80%です!収入の大部分は、演奏活動で稼いでいるんですね!
一方、気になる点として、演奏活動による収入率が3枠の中で一番高いにもかかわらず、演奏による収入の額は、B枠についで約4億円である事です。別の言い方をすると、収入のほとんどを演奏活動でまかなっているけれど、収入全体の額が多いかというと、そうでもないという感じです。
公演内容の内訳を見ると、年間の全公演数は約110回。3つの枠の中で一番少ないです。さらに、そのうち依頼されて行う公演が約70%を占めていました。つまり、自分たちで企画して実施する公演よりも、依頼されて行う公演の方が圧倒的に多いようです。確かに、自分たちで企画すると、どうしてもお金がかかる事が多いですよね。依頼されて行う公演であれば、依頼先からお支払いを受ける事が出来ます。
楽団員1人あたりの人件費は約250万円となっており、3つの枠の中で最も人件費が低い理由の一つには、依頼されて行う公演の回数の少なさも影響しているのかもしれません。

B枠のオーケストラ:演奏による収入額がトップ!
年間の演奏収入額は、約6億円と3つの中で最も高いです。一方、年間演奏収入率はA枠につぐ約60%です。言い換えると、A枠のオーケストラと同じように、収入の大部分を演奏活動で稼いでおり、さらに収入全体の額としても一番高いのです。
公演内容を見てみると、依頼された公演が全公演に占める割合は、A枠ほど高くありません。しかし、年間全公演数は約150回と3枠の中で一番高く、依頼されて行う公演数も約95回とトップです…!つまり、全部の公演も、そのうち依頼されて行う公演も、回数が非常に多いといえます。
楽団員1人あたりの人件費は、約530万円で、C枠につぐ2番目です。A枠と異なるのは、依頼される公演の回数が多く、稼ぐ機会に恵まれ、人件費を確保出来ているという点のようです。

C枠のオーケストラ:楽団員1人あたりの人件費がトップ!
オーケストラの演奏収入率は約40%で、3枠の中で最も低くなっています。演奏活動による収入よりも、外部からの支援(寄付金・補助金など)が収入に占める割合が高くなっているんです。さらに、演奏による年間収入額も約3億円と一番低いです。
公演内容で特徴的なのは、自分たちで主催する公演が多い点です。年間で主催する公演数は約60回と一番多く、全公演に占める主催公演の割合も最も高くなっています!公演を主催すると、そのぶんお金がかかり大変なのですが、それでも主催する公演が多いという事は、外部から寄付金・補助金などの十分なサポートを受けられている証拠なのでしょう。
楽団員1人あたりの人件費は、3枠のうち最も高く約640万円です。オーケストラ外部からのサポートをしっかり受ける事が出来ているため、人件費を十分に確保出来ている様子がうかがえます。

少し複雑かなと思いますが、19団体をピックアップしただけでも、さまざまな特徴が見られるのがおわかりいただけたでしょうか…?特徴にこれだけ違いがあると、運営の仕方や抱えている課題も異なりそうです。
次回は、実際にオーケストラ運営をされている方へインタビューした時の話を元に、オーケストラがどのような運営を心がけているのか、取り上げていきたいと思います。

自分の特徴を生かす

今回、グループごとにオーケストラの特徴を見ましたが、A、B、Cの枠でそれぞれ特徴は違いました。
オーケストラに限らず、どのような分野であっても、自身の特徴を理解する事は大切なのかなと思います。自分の強みや弱みを知れば、どうやって強みを活用して一層活躍出来るのかを知る手がかりになるのではないでしょうか。

自分の特徴を知る一つの方法として、自己分析が挙げられます。たとえば「ジョハリの窓」という分析方法を聞いた事はありますか?

ジョハリの窓で自己分析 ~概要、やり方、項目例、シート、アプリ、研修活用~

私はこの分析方法を最近知ったのですが、実際に自己分析してみると、今まで気づかなかった自分の一面を知れて、とても勉強になりました…!ぜひ仲の良い友達と一緒に試してみてください。自分がこれまで知っていた特徴だけでなく、今までは気づかなかった特徴にも気づくきっかけになるかもしれません!

また、得意な事や強みはわかっていてうまく生かしたいけれど、具体的にどうやって自分の進路に活用したら良いかわからないという方には、こちらの記事がオススメです!

進路に悩む前にまずは自己理解を深めよう

進路を選ぶ時に、どうすれば自分に合った進路を選択出来るのかについて、体験談を元に書かれています。自己理解を深めるのに最適な本の紹介もありますので、「やりたい事ってどうやって見つけるの?」という方にもきっと参考になるはずです!ぜひ読んでみてください。

 

次回は、実際にオーケストラ運営をされている方へのインタビューをピックアップする予定です。どのように特徴を生かしてオーケストラ運営に取り組んでいるのか、またどのような課題を抱えているのか、掘り下げていきたいと思います。引き続き、お付き合いください。

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