こんにちは。マネージャーの富田です。
先日、税理士法人クリアー代表の栗原邦夫さんを講師にお招きし、「プロの税理士による 音大生・音楽家のための確定申告講座[基礎編]」が開催されました。
今回は当NPOのスタッフだけでなくオープンに行われ、多くの音大生、若手音楽家が集まりました。

栗原さんはなんと元オスカープロモーション所属。税理士として全国規模の講演・セミナーにてその手法を伝授するかたわら、東京音楽大学の聴講生としてガムランの勉強もされていたというユニークな経歴の持ち主です。

そしてその音楽大学で学生たちから受けた相談がきっかけとなり立ち上げられた、音大生や音楽家に向けた確定申告講座「オンカク®」。
文字で読んでいても出てくる単語が漢字ばかりで難しいと感じがちな確定申告や税金のお話も、栗原さんの軽快・明快なトークとキャッチ―なスライドですんなりと入ってきました。
今回はその内容の一部をご紹介します!

収入と所得の違いとは?

どちらもよく聞く言葉ですが、その違いは?と問われると少し説明に迷ってしまいます。
では、「稼いだお金」と「儲けたお金」と表現し直すとどうでしょうか。

「稼いだお金」は「働いて得たお金そのもの=収入」

「儲けたお金」は「実際に手元に入ったお金=所得」

この方が理解しやすくなります!

私たちはお金を稼ぐために必要な道具や環境をそろえます。
例えば私の場合は打楽器奏者なので、太鼓などの楽器やそれを叩くバチ、楽譜。そして大きな楽器を運ぶ場合は車も必要です。その車にはガソリン代もかかります。

これらは「経費」として計上する事が出来、
「稼いだお金(収入)」-「経費」=「儲けたお金(所得)」となります。

確定申告においては、この「所得」の金額が重要!
所得の金額によって、自分に所得税を納める義務があるか否か(確定申告をする必要があるのかないのか)がわかります。
そして日本では所得が多ければ多いほど、税金も多く納めなければならない仕組みになっています。

一方で、「源泉所得税」というのは、報酬を支払う側が報酬を受け取る側からあらかじめ徴収し、本人に代わって税務署へ納める所得税の事。
税務署へ一度預けているようなものなので、その額によって、所得税との差額を支払う、または返してもらえるのです(納税義務がない場合は手元に返ってくるという事になります)。

それぞれの言葉の定義や関係性を噛み砕いてわかりやすく説明してくださり、また音楽家のケースに置き換えて具体的にお話をしていただいたので、参加者も自分の事としてイメージがしやすく納得している様子でした。

白色申告と青色申告

こちらもよく聞く2つですが、一体何が違うのか、自分はどちらなのか、参加者の多くが疑問に思っていた点だと思います。

白色
・何も申請しないと自動的にこれになる
・簡易な簿記でOK
・特別控除がない

青色
・申請が必要
・特別控除があり、10万円控除は簡易な簿記でOK、65万円控除は複雑な(正式な)簿記が必要

「特別控除」を適用してもらう事で、納める税金を減らす事が出来ます。
誰だって納める税金は減らしたいですよね。
つまり申請さえすれば、特別控除を受けられる青色のほうが良い!
65万円の控除は帳簿付けが難しく面倒なので、現実的には10万円控除がオススメとの事でした。

栗原さんも頻りにおっしゃっていましたが、世の中には知らないと損な事がたくさんある、と実感しました。

演奏にも消費税はかかる!

消費税というと、私たちが日々生活している中で買い物をしたり、外食したり、身近な場面で支払っていますよね。
それでは、「演奏」には…?
今回セミナーに参加するまで、その発想すらありませんでした。
…今思えばなぜだろうとも思いますが(笑)。
しかし、もれなく演奏にも消費税はかかるのです!

それではこの場合の消費税は誰が負担するのか?というのが気になるところ。
一般的に、消費税を負担するのは最終消費者です。
メーカ、問屋、小売店、それぞれの立場でその売り上げには消費税がかかり、それぞれ税務署へ納めます。
演奏の最終消費者はお客様なので、お客様から消費税をいただく事になります(正確には、むしろいただかねばならないのです)。

依頼主の方も この事を知らない可能性があるので、いただける報酬について、消費税を含むのか否かを確認するようにしましょう(これは源泉所得税にも言えることです!)。

とは言え人と人とのつきあい。
なるべく早い段階で聞く方が良い事、そして聞き方も不快感を与えないようにと、大切なアドバイスもいただきました。

このほかにも、経費として認めてもらうために有効な記録の仕方や領収書の保管方法など、
とても実践的なたくさんのコツ”を教えていただきました。

自営業(フリーランス)が多い音楽家こそ、難しそうだからと言ってよくわからないままにせず、まずは最新の正しい知識を身に付ける事
そして収支や経費を日頃から自分でしっかり記録する事が大切だと再認識しました。

無意識だとしても脱税してしまわないように、というのももちろんですが、情報収集をし、それを賢く活用出来るかどうかが、得をするか損をするかの分かれ道だと思いました。

音楽家として生きてくためには楽器の演奏技術だけでなく、こうした社会人としての知識やノウハウ、そして自己プロデュース力が必要です。
ネクストステージ・プランニングでは、こうしたセミナーの開催を通じて、若い音楽家が社会人として自立するための育成活動に力を入れています。
今後もさまざまなセミナーを計画しています。ぜひご注目ください!

改めまして、栗原邦夫さん、このたびは本当にありがとうございました!