音楽家のサバイバル術A way for musicians to survive
『大手ハンバーガーチェーン店で食事する? or ちょっと高級なお店?』A or B/あなたが選択すべき人生の分かれ道 Vol.3
いきなりですが、皆さんふだん、どんな所で食事をしていますか?
実家暮らしの人はあまり苦労する事なく、親御さんの作ってくれた料理を家で食べているかもしれませんし、一人暮らしの人は、自炊をしたり、スーパーのお惣菜コーナーやコンビニ、ファストフード店などを多く利用しているかもしれませんね。
なぜこんな話をするかは後々解説しますが、まずはハンバーガー店でメリット、デメリットを比較をしてみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
大手ハンバーガー チェーン店 |
|
|
高級ハンバーガー店 |
|
|
こんな違いがありますよね。
単純に、メリットとデメリットは真逆であるのがわかると思います。
質の高いサービスから学べる事
今回のテーマは、
「(それなりに)きちんとしたお店に行きましょう!」
です。理由の一つは、
ハンバーガーや牛丼、コンビニ弁当ばっかり食べていると、栄養バランスが悪く、健康管理の面で良くない
なんですが、かと言って「高級ハンバーガーを食べ続けましょう」という話ではありません(食べ続けていたら、いくら高級でも身体に悪いです)。
皆さんに伝えたいのは、
「質の高いサービスを経験しましょう!」
という点です。
なぜだかわかりますか? それは、音楽家という仕事もサービス業だからです!
ものすごく基本的な事だと思うのですが、
質の高いサービスを受けた経験がないと、質の高いサービスは提供出来ない
と僕は考えています。
身近なサービスの質と価格を比べてみる
今回のタイトルはハンバーガー店にしてみましたが、もちろんそれに限った話ではありません。
- コンビニ&スーパー/デパート&百貨店
- 回転寿司/カウンターで一貫ずつ握ってくれる寿司屋
- 大手居酒屋チェーン&ファミレス/こだわりの創作料理、お酒を出す居酒屋&レストラン
- 衣料量販店/ブランドの衣料品店
- 駅によくある1000円カットの理容店/カリスマ美容師がいるお店
- 格安ビジネスホテル/高級ホテル
- 夜行バス/新幹線
- LCC/ANAやJAL
- 飛行機のエコノミークラス/ビジネス&ファーストクラス
- さびれた地方の遊園地/ディズニーランド
ざっと挙げてもこれくらいあり、すべて皆さんにとって身近なものですよね。
体験したものがあれば、サービスはどう違ったか、価格にどれくらい差があったか、客層はどう違ったかを思い出してみてください。
そしてもうひ一つ大切なのは、そのサービスを受けた時、あなたはどう感じたかです(顧客満足度という言葉を聞いた事があると思います)。
たとえば、夜行バスと新幹線では、スピード、快適さ、安全性、運賃の差は一目瞭然ですよね。
極論になりますが、高速バスでは何度も痛ましい死亡事故が起きています。それに比べ、新幹線では開業以来、JR側に過失のある死亡事故は起きていません。
音楽家のサービスに命の危険はありませんが、ものによってはそれくらいの差があるという事です。
あなたがお客様だった場合、どちらを選びますか?
僕も若手でお金がなかったころはよく高速バスにも乗りましたが、最近ではよほどの事情がない限りは新幹線を選びます。
何が言いたいかと言うと、
お客様は常に、サービス(商品)の質と価格が自分にとって適切か、相応かを判断しながら買い物をしている
という事です。
楽器に置き換えてもわかりやすいかもしれません。
ピアノ科の音大生で、電子ピアノしか弾いた事がない人はいませんよね。
管楽器の音大生でも、ネットで買える安価な中国製の金管・木管楽器を使っている人はいないし、自分の生徒さんにも決して薦めないでしょう(※中国製すべての否定ではありません/中国の伝統楽器などにも言及はしていません)。
つまり、皆さんはお客様の立場で、ちゃんとその価値が判断出来ているはずなんです。
それにもかかわらず、身近な生活になると、度を越えてケチな人がけっこういます。
質の高いサービスには、必ずその人の「心」が入っています。
チェーン店で、どのバイトの子が作っても迅速に同じ物が何個も出来るハンバーガーと、素材にこだわって一つひとつていねいに作っているハンバーガーが同じ味のわけがないですよね。
工場で大量に作られた楽器と、職人さんが一本一本作った楽器は、素材や心のこもり方が違うはずです。だからこそ値段に差が出てくるんです。
自分のサービスに置き換えてみる
あなたが音楽家として成功し、きちんとした対価を得られるようになるためには、質の高いサービスを経験し、(自分なりの感性で)良い物は良いと感じられる人間になっている事がとても大切です。
- 料理はとても美味しいけど、お店や食器の清潔感がない、店員が無愛想で言葉遣いが汚い
これを音楽家に置き換えるとどうなるでしょうか?
- 演奏はとてもうまいけど、服や髪などの身だしなみが整っていなくて、(レッスンなどでも)無愛想で言葉づかいが汚い
こんな感じになりますよね。
良いサービスにお金を使えない人は、周りにも(あなたのお客様にも、同業者の友人も) そのランクの人が集まってきます
あまりに節約の事ばかりを考えて良いサービスを経験しないと、あなたはそのランクから抜け出す事は出来ません
これが僕の持論です。
僕自身、今でも大手ハンバーガーチェーンもコンビニも、スーパーのお惣菜コーナーも利用しますし、100円ショップや家電量販店などで、安くて品質の良いものはもちろん利用します(安いものを使ってはいけないという話ではありません)。
かと言って、「銀座や六本木で豪遊しましょう」でもありません。
今回の話は決して「無駄遣いをしましょう」ではないので、誤解しないようにしてくださいね。
ふだん生活をしていたら、1日に何度も「サービスを受ける」はずです。その1回1回が勉強です。
- そのサービスはどれだけ相手の心がこもっていたのか
- そのサービスを受けて、安いと感じたのか、高いと感じたのか
- もう一度利用したいと思えたのか?(それはなぜか?)
こんな意識をもち、自分が音楽家として、どんなサービスを提供したいか(どうやって相手を満足させたいのか)に置き換えるようにすれば、きっと演奏技術以外のスキルも向上するでしょう。
参考:変換力
ちょっとした事からでいいです。
いつもはチェーンの居酒屋で平均的な料理と飲み放題だけど(客単価3000円ぐらい)、アルバイトで臨時収入があった時なんかに、少し上のランクのお店(客単価5000円ぐらい)に行ってみるとか。
仮にあなたが1レッスン3000円で受けているとして、5000円もらえるようにするには何が必要か、そのヒントがあるかもしれませんよ!
次回記事:Vol.4 留学する? or 日本にとどまる?
前回記事:Vol.2 アルバイトをする? or しない?