『夢を実現させるために、最も大切な行動とは?』
Vol.1

この記事を読んで下さっている方の多くは、「音楽で生計を立てていきたい」と考えている方だと思います。

それでは、その夢を実現させるために、最も大切な行動は何だと思いますか?

練習?
やる気?
気合と根性?

どれも「適度に」必要ですが、僕はこれらが一番ではないと考えています。

では一体何なのでしょう?

それはズバリ!

情報収集

です!
ちょっと意外ですか?

では、もう少し具体的に説明していきます。

先の大戦に学ぶ情報収集の大切さ

あまり良い例ではないかも知れませんが、「戦争」に例えてみたいと思います。

日本が第二次世界大戦という大きな過ちを犯してしまったのは、「情報収集」が足りなかったからだと言われています。

日露戦争で何を間違ったか、大国ロシアに勝ってしまい、調子に乗って、アメリカ、イギリスの戦力をきちんと「情報収集」せず、無謀な戦いを続けたがために、あのような悲劇が起きてしまったんですよね。

日本が原爆の存在を知っていたら(正確な情報収集をしていたら)、少なくとも投下される前に戦争は終わっていたのではないでしょうか?

なぜ戦争の話をしたかというと、それは、ビジネスの世界でも戦争用語はよく使われるからです。

作戦
戦略
ライバル
ターゲット

これらは元々戦争用語です。
勿論、スポーツの世界でも普通に使いますよね。

「情報収集」が出来ているから、勝算のある「戦略」を立てたり、「ターゲット」を絞り込む事が出来ます。

アスリートの世界ではもはや常識だと思うのですが(例:バレーボールの日本代表で、ベンチにiPadを持っている人がいるのを知っていますか?あのiPadの中に、相手チーム、選手の膨大な情報があり、逐一指示を出しています)、音楽家は未だにとてもアナログで、とにかく練習すれば良い、やる気が一番、気合いと根性でどうにかなると思っているようなところがあります。

受験の時は出来たはず

皆さんが音大に入学出来たのはなぜでしょうか?

  • 行きたい学校の募集要項をインターネットで調べた or 冊子で取り寄せた
  • 教えている先生は誰なのかを調べた
  • オープンキャンパスや講習会の日程を調べた

これらは全て「情報収集」で、皆さんは目標を決めたらまず、これらをやって来たはずなんです。

オープンキャンパスや講習会に実際に参加し、同じ立場の受講生と接したり、個人レッスンで教授のレッスンを受けて直接アドバイスをもらう事で、自分がライバルと比べてどの位置にいるのかや、合格のために今、何が足りないかを実感する事が出来ます。

これにより「情報収集」の精度を上げる事が出来ました。

ただ募集要項を取り寄せ、闇雲に受験曲を練習している人より、合格の可能性が高くなっているのが分かりますよね。

以前も別のトピックで書きましたが、音大では皆さんがお客様なので、プロの世界、ビジネスの世界よりは「情報収集」が簡単です(あなたにとって分かりやすいように情報が開示されています)。

自分の夢についても情報収集してみよう

ところで、僕のところに来る進路、キャリアに関する質問では、

  • どうやったらテーマパークのプレイヤーになれますか?
  • スタジオミュージシャンになりたいです
  • Jポップのバックバンドで生計を立てたいです

この3つが圧倒的に多いです。

なぜそういう質問が来るかと言うと、前々回の記事で触れたプロフィールに、僕がこの3つの経験者である事を明記しているからだと思うのですが、質問して来る人のほとんどに共通して言えるのは、

本当に何も知らなくて(「情報収集」出来ていなくて)、憧れだけで何となくその世界を目指している

という点。

以前、若い女の子のブラスプレイヤーで、Jポップのバックバンドで生活したいと言って来た子がいました。

試しに一度「情報収集」してみて下さい。

  • ブラスを使った楽曲スタイルで、随時(シンセでなく)生音のプレイヤーを使ってくれているアーティストがどれだけいますか?(具体的なアーティスト名と、分かれば自分と同じ楽器奏者の名前を書き出してみて下さい)
  • そのアーティストさんは、年間に何本ライブをやっていますか?
  • 同じ楽器の奏者さんは、他にどんな仕事をしていますか?
  • 女性はどれだけいますか?

今のネット社会なら、この程度の「情報収集」なら、かなりの所まで可能ではないかと思います。

「私はJポップに関係ない」と思っている方でも、クラシックのピアニストでもほぼ同じ状況だと思いますよ!

ピアノで生計を立てたいと思うのであれば、ここに書いたようなアプローチで「情報収集」をしてみて下さい。

どちらの状況にしても、皆さんがいかに「勝算の低い戦い」をしているかが分かるはずです。

ビジネスでは受験以上の情報収集が必要

ほとんどの方は、入学の時までやっていたはずの「情報収集」が足りません。

前述の戦争の例えを思い出して下さい。

日露戦争(受験戦争)で何を間違ったか、大国ロシアに勝ってしまい(音大に合格してしまい)、調子に乗って、アメリカ、イギリスの戦力をきちんと「情報収集」せず(音楽で生計を立てる事がどれだけ大変か「情報収集」せず)、無謀な戦いを続けたがために、あのような悲劇が起きてしまった(夢破れてしまった)

もちろん、戦争のような命の危険はありませんが、よく似ていると思いませんか?

本当に大切なのは、卒業した後、どうやって生きていくかですよね。

音楽家として生計を立てるためには、入試の時よりもはるかに精度の高い「情報収集」を行なわないといけないのです。

第二次世界大戦終盤では、明らかに負ける事を大本営は把握していたのに(「情報収集」は出来ていたのに)、それを隠し、日本が勝っているかのような伝え方をして戦争を続けさせたという話がありますよね。

これも以前書きましたが、音大もビジネスです。ビジネスに都合の悪い情報はあなたに教えてくれないのです。

よく卒業後の進路として、優秀な先輩が紹介されていたりしますが、その学校からこのような先輩が出た「確率」は絶対に書かれてはいません。
参考:『音大卒の演奏家が仕事を得る方法』 Vol.1 音楽業界の現状

もしかしたら、学校始まって以来の逸材であっても、この学校に入れば必ず夢が実現するかのように宣伝しているかも知れないし、そこまで書いていなくても、あなたが勝手にそのように解釈しているかも知れません。

テーマパーク、スタジオ、Jポップのミュージシャンも、一見とても華がある世界ですが、ほとんどの方がこの夢を実現出来ずに終わるという事実を知っておく必要があります。

もちろんこれは音楽業界全般に言える事です。

この記事を読んで、「こんな確率の低い戦いをしたくない」と思った方は、今すぐ一般企業に就職する準備をする事を強くオススメします。

本気で音楽家で生計を立てたいのであれば、

より精度の高い「情報収集」を行い、綿密な戦略を立て、ターゲットを絞り、ライバルに差をつけて確率を上げていく事が何より大切ではないでしょうか。

次回記事:Vol.2は情報収集のポイント「変換力」について
前回記事:劣等感で悩むあなたに贈る、自分らしく生きる為の考え方