NSU経済・経営学部 Vol.6『レッド・オーシャンとブルー・オーシャン』

今年はうっとうしい梅雨が長く、明けたと思えば猛暑。体調管理が難しいですね。
僕は普段、ほとんど病気をしないのですが(3,4年、人間ドック以外で病院に行った記憶がありません)、そんな僕でも珍しく不安定です。

『フリーランスで成功するための“10の秘訣”』Vol.2 自己管理が出来ている

この記事にも書いた自己管理(体調管理)は、代わりのきかないフリーランスではとても重要ですので、皆さんも日々気を付けてくださいね!

さて、そろそろ本題に入りますが、皆さんはこの夏、海に行きましたか?

「夏といえば海!」という人もいれば、全然関心のないインドア派の人もいるかと思いますが(僕はこちら…笑)、ビジネス用語にも「海」にまつわるものがあるのをご存知でしょうか。

それが今回のテーマの「レッド・オーシャンとブルー・オーシャン」です。

レッド・オーシャンとブルー・オーシャンって何?

これらはビジネスの市場を海にたとえた言葉ですが、まずはざっくりと両者を説明してみましょう。ウィキペディア先生によると、

レッド・オーシャン:赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域

ブルー・オーシャン:青い海、競争相手のいない領域

とあります。血で血を洗うって、怖すぎます。もうちょっと良い表現はなかったんでしょうか(笑)。

ただ、「青い海」が穏やかな印象なのに対して、「赤い海」がなんだか厳しい世界をイメージする感じは伝わってきますよね…

レッド・オーシャンとは「既存の市場」であって、競争が激しく、利益をあげるのにコストがかかり、薄利多売(利益が少なく、数を売る必要がある)、低価格ゆえに付加価値を提供しづらいという特徴があります。

音楽業界なんてまさにレッド・オーシャンだと感じませんか?

特に、クラシックやジャズのように、生演奏を生業(なりわい)としている我々は、デジタル音楽の台頭により需要が減っているにもかかわらず、音楽大学などで学ぶ人は減っていない(需要より供給が圧倒的に多い)、楽器購入や、能力維持のためにコスト(お金だけではなく、時間を含む)がかかり、その割には仕事の単価も安く、儲からない現場も多いのです。

安いまま付加価値を上げてしまうと、それはさらに価値を下げてしまう事になりますよね。

NSU経済・経営学部 Vol.3『タイムイズマネー』

この記事でも説明しましたが、安い仕事を受けて、こちらの労力が大きければ、その分時給は安くなります。

たとえば、ほとんどギャラの出ないような仕事でも「全曲暗譜します!」という付加価値を付けてしまったり、リクエストを受けて「無料で編曲します!」という付加価値を付けたりすると、レッド・オーシャンの中であなたに仕事は来るようになるかもしれませんが、それはただ、安くて便利に使われているだけかもしれません。

まずは皆さん、音楽業界で生き残る事、このブログのタイトルにもなっている「サバイバル」は、レッド・オーシャンなんだという意識をもっておくのは必要な考え方ではないかと思います。

ブルー・オーシャンで勝負出来るのか?

ものすごく安易に考えれば、「じゃあ、ブルー・オーシャン(競合がいない世界)に行けば良いじゃないか!」となるんですけど、まあ、そんなに簡単な話ではないですよね。簡単に出来るなら、僕もやっています(笑)。

ブルー・オーシャンに近いビジネス用語の「ニッチ」。「隙間」という意味ですが、「潜在的な需要があるが、まだビジネスの対象として考えられていない分野の事」を言います。

実際に、世の中にこれだけ多種多様なビジネスがあり、ゼロからのアイディアが出尽くしてしまった音楽業界でも、なんとか「隙間」はないかと、多くの方が日々試行錯誤していると言えますね。

そもそも我々は音楽が好きで、だからこそ職業にしたいと考えているわけです。なので、「音楽業界はレッド・オーシャンだから、どこか競合のいないブルー・オーシャンへ行こう!」とはならない人が多いですよね。

ただ、音楽にさほど思い入れや未練がない人は、この割り切り方はアリかもしれませんよ!

『A or B/あなたが選択すべき人生の分かれ道』Vol.6 あきらめない勇気 or あきらめる勇気

この記事にも書いたように「好きならとことん頑張る」、そうでもないなら「いさぎよく諦めてほかの事をやる」。

では、なんだかんだ言ってもこの業界で勝負したい人はどうすれば良いのでしょうか…

レッド・オーシャンの中にブルー・オーシャンを見付ける!

僕が日々実践している事や、このブログに書いている事は「レッド・オーシャンの中にブルー・オーシャンを見付ける」って事なんじゃないかなと思っています。

ある有名な経営者の方が「レッド・オーシャンはブルー・オーシャンだ」とネットニュースか何かに書かれていて、最初意味が分からず、本文を読んだのですが、僕にはとても納得出来る内容でした。飲食店を例に挙げて、

「個人経営の飲食店などは、あまり深く経営の勉強などもせず、ただ”飲食店をやってみたい”という浅はかな考えで始めてしまう人が多い。だから、店の数、つまり競合が多いレッド・オーシャンではあるけど、その中で普通にちゃんとやっていれば、必ず生き残れるブルー・オーシャンだ」

こんな内容です。

僕、これがそのまま多くの若いフリーランスの音楽家に当てはまると思うんですよね。

楽器の技術は音大で学ぶけど、職業としてやっていくノウハウは学ばずに、ただ「音楽が好きだから」でプロを目指して、結果レッド・オーシャンだという事にも気付かず、消えていくんです。

この経営者さんの言う「普通の事をちゃんとやっていれば」の部分は、

『フリーランスで成功するための“10の秘訣”』Vol.1 謙虚さ、感謝がある、謝罪ができる

まさにここに書いた10の秘訣ではないでしょうか。

楽器の技術以前に勝負で負けているいる人がどれだけ多い事か…
(飲食店で言えば、味で勝負する前に潰れる事が決まっている状態)

『音大卒の演奏家が仕事を得る方法』Vol.1 音楽業界の現状

この記事で書いたように、演奏技術以外に、教えるスキルを身に付けたり、たとえばクラシック専攻の人もジャズやポップスの奏法を身に付けるとか、作編曲を学ぶとか、パソコンで楽譜を書けるようにするとか…

『フリーランスで成功するための”10の秘訣”』Vol.7 ~ 音楽以外の能力を持ち合わせている/音楽が好きである、信念がある

この記事に書いたように、音楽以外のほかのスキルを掛け合わせてオリジナルの、レアな人材になるとか…

僕は今年でプロになって20年ですが、もちろんトロンボーンの演奏のみでここまで続ける事は不可能だったと思います。上記の事はほぼ全部やってきましたが、それでもレッド・オーシャンだったと感じています。

ここ2,3年でさらにスキルアップして、ブルー・オーシャンに行く努力というか、戦略も考え、現在は比較的競合のいない世界で、ストレスも少なく仕事が出来ているように思います(結果、自分が経営者になり、会社を立ち上げるというところまで行きました)。

音楽業界のどの部分に身を置いて生きていくかは個人の自由ですが、自分はレッド・オーシャンの中にいる事を自覚し、そのうえで綿密な戦略を立てていくというしたたかさは、サバイバルを勝ち抜くためには必要不可欠な考え方になっていくと思います。

次回へ続く→

次回記事:NSU経済・経営学部 Vol.7『ターゲット』
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